文化財建築探訪
社 寺 : |
名称 | 資料・記事 | ||||
正法寺 所在地:岩手県奥州市 |
みちのく曹洞宗の古刹。東北新幹線水沢江刺駅から車で約15分、茅葺き屋根の大伽藍が静かな山里にたたずむ。ちなみに本堂の茅葺き屋根の面積は全国一とか。訪れたときは雪に覆われて真っ白。心眼で茅葺きの色を想像した。見所は少し見にくいが屋根妻飾り。開山堂入り口横の戸をこっそり開けて外を見ると、この妻飾りがばっちり見えて、やったあと思うほど見事。 | ||||
中尊寺白山神社能舞台![]() |
金色堂をさらに進んで右に行くと能舞台の建物が見えてくる。舞台前をぐるっと回って正面に出ると、茅葺きの農村舞台風情の全体が見渡せる。ブルーノタウトが絶賛した中尊寺でもっとも印象に残る建物である。 |
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岩屋神社・境内社熊野神社本殿 所在地:福岡県朝倉郡 ![]() |
両本殿とも大岩の窪みに建てられており、急階段と急坂を登ってたどり着く。前者は隕石と思われる菰をかぶった宝珠石を祀っている。最近修理が終わり、内殿の組物彩色と珍しい茅と杉を重ね合わせた屋根が美しく蘇っている。後者は一見投入堂風。岩場の足下に柱を立てたと思われるあなが残り、以前はもっと規模の大きな建物であったと考えられている。JR筑前岩屋駅下車徒歩15分。駅前には福岡の名水にも選ばれている湧水があり、ポリタンク持参の岩屋湧水ファンが多数押し寄せる。またコンクリート鉄道アーチ橋、棚田、炭鉱跡など、付近一帯には見所も多い。 |
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富士山本宮浅間大社 所在地:静岡県富士宮市 ![]() |
重層の社殿。奇抜な建て方で、類例があるのかよく分らないが。普通の高層建築と違い本殿が屋根の上の高いところに載っているという感じ。平成18年春、修理工事が完成して鮮やかな色彩が蘇り、高いところにある本殿がより一層目立つ様に思えた. ちなみに富士宮市は焼きそばの町。麺に歯ごたえをもたせるために調理に独特の工夫があるとのことで・・・、食べたかったなあ。 |
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丈六寺 所在地: 徳島市丈六町 ![]() |
阿波の法隆寺と呼ばれる古刹。勝浦川河畔にあり、四国巡礼の寺々とはやや趣を異にし、喧噪とはほど遠い静かなたたずまいのお寺。阿波の法隆寺と称される所以を伽藍構成から検証してみた。中門にあたる山門の雰囲気は裏側から見ると少し小振りだが柱が林立したところなどは類似性を感じた。本堂までの中庭を囲む回廊の様子も似ている。奥の重文本堂は講堂と見立てるとかなりいい感じ。ただ中庭に塔と金堂がないので、残念ながら古建築探訪家としては、ぐるりのみは何とか法隆寺。・・の認定しかムリ。しかし地元では阿波の正倉院とも称しており、寺宝に優れたものがあり、これらは秋の文化の日前後に建物の公開に合わせ見学できるとのことである。 | ||||
鹿苑寺地蔵堂 所在地: 岐阜県美濃市 ![]() |
美濃と郡上八幡を結ぶ街道の峠に建つ小さな六角円堂。今は国道から少し入った村落に地蔵堂への登り口があり、30分ほどの山道をたどると風情ある趣で佇む地蔵堂に達する。昔の賑わいが消え、すっかり忘れら去られたように寂しく建っている様は郷愁を呼ぶ。帰路、振り返って見上げるお堂の姿は絵を見るように美しかった。 |
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旧正宗寺さざえ堂 所在地: 福島県会津若松市 ![]() |
白虎隊自刃の地として名高い飯盛山山腹にある。西国三十三カ所観音霊場巡りを一カ所で出来るようにした施設。建物内部が螺旋式スロープになっており、堂内をぐるぐる上り下りして堂内の札所を巡ることが出来る。信仰に遊びの要素を合体させた奇抜な建築。入り口の唐破風の屋根、軒下の派手な彫刻などは江戸時代建築そのもので、参拝者への強烈な見せ場。 | ・特集建築探訪 トランヴェール’97年11月号(JR東日本) ・さざえ堂売店で図面販売。
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歓喜院貴惣門 リニューアル 所在地: 埼玉県大里郡妻沼町 ![]() 岡村靖之さんの切り絵 参考文献: ・埼玉県指定文化財妻沼聖天山歓喜院貴惣門屋根修理工事報告書(H18.8) ・写真集薦神社神門篇(H11.5): 神門建築 工藤圭章 |
彫刻を満艦飾にちりばめた権現造の歓喜院聖天堂の正面に建つ門。屋根が二重形式で妻側から見ると三つの破風があり、類例の少ない形式の門である。江戸期、利根川大洪水の災害復旧工事にお手伝い普請で来村した岩国毛利家吉川藩の棟梁長谷川家に伝わる設計図がこの門と同種のものであり、聖天堂棟梁林正清と懇意になってプレゼントした図面を後年参考にして、林正清の子孫が完成させたと伝える。 日本に4つしかない奇想門(貴惣門)の在処を埼玉県立博物館の太田富康さんから頂いた妻沼町の調査資料で知ることが出来た。大阪市の四天王寺東大門は元和4年創建で最も古い。戦災で焼失後、再建は様式を変更して行われているため装飾は少なくなっている。岡山県豊楽寺仁王門は武部町文化財で、江戸末期の作品。もう一点は弘前市誓願寺にあり、他とは異なり妻入りの四脚門。この形式の門は平側より妻側がいいので、門の使いかとしてはこちらの方が正解か。なお、国外でこれと同形の奇想門が建てられているのを「図説万国博覧会史」(吉田光邦編恩文閣出版)で発見。1904年開催のセントルイス博覧会でJAPANという扁額を上げて建てられおり、正面2階には唐破風も上がり、歓喜院の門より華やかに見える。 貴惣門は上層が切妻、下層は前後に招き屋根を付けた門であるが、入母屋2重門で、下層に招き屋根を付けた門が大分県中津市の 三屋根建築を本堂に採用したお堂を金沢で発見したのでご紹介する。浄土真宗の本願寺金沢西別院本堂で貴惣門と同様妻側に3つの破風が付く。1849年再建の県指定文化財。 ![]() |
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