文化財建築探訪
   

 民 家    :                                                                        
名称 所在地 資料・記事
旧中筋家住宅   
 
和歌山県和歌山市  10年の修理を終えて、2010年8月より公開。3階にある展望室?、長屋門内の役務室、ちょっと高めの廊下から見下ろす庭、大広間、貴重な畳遺産、丸桟瓦など、特徴ある見せ場をボランティアガイドが紹介してくれる。この和佐地区は三十三間堂通し矢の記録保持者和佐大八郎の出身地。パナソニックの創業者松下幸之助さんも和佐出身で、子供時代をこの地で過ごした。
現場公開
 
(財) 文化財建造物保存技術協会 「修復の手帖A」
矢富家住宅

島根県益田市津田  津田川河口に展開する大庄屋の屋敷群。詳細は不明。海岸線に面しており、立派な屋敷門も全面板張りにして冬の風雪に備えた造りとなっている。 

街道に面した屋敷門
同門部分
島根県教育委員会 歴史の道ガイド「山陰道V」 

本屋側面
浮田家住宅
香川県観音寺市大和町 観音寺市の大地主浮田家の住宅。浮田家は戦国大名宇喜多家の末裔で、天保年間の銘が残る御成門ほか20室もの部屋をもつ広大な建物群を残す。文化財の指定物件ではないので、久しぶりに訪れたときは、もしやと心配したが健在で、反対に前にあった銀行の店舗が取り壊されて広場になり、屋敷の長い前面が見渡せるようになっていた。(2006.5.5) 観音寺文化財保護協会「観音寺市の文化財」(平成11年)
旧藤田家住宅

愛媛県南宇和郡愛南町 旧城辺町僧都、鹿鳴(カナラシ)にあった一室住居の希有な残存例。
犬伏武彦氏著「民家ロマンチック街道-伊予路」などに紹介。
山出(ヤマイダシ)憩いの里温泉の敷地内に復元。
昭和30年頃の旧観(藤田儲三氏撮影)
・城辺町教育委員会「チョウナづくりの家」旧藤田家住宅解体調査報告書
林野の町屋 
岡山県美作市林野  ドライブ中に洋風の立派な屋根が町なかにあるのを発見、寄り道してその元中国銀行林野支店を見学した後、ついでに商店街も見てやれと走り出したとたんに眼前に飛び込んできたのがこの建物。八棟造りの家が中国山地の町に残っていたので、大変なもの見つけたとコウフンしてしまった。表側から見ると3軒の商店が並んでいるだけで見落としてしまいそうだが、ちょうど妻側が空き地になっていて、煙り出しも含めた見事な棟の重なりがよく見渡せた。(2005.8.15)
旧新盛家住宅

沖縄県竹富町西表東祖内 沖縄県最古(?)の民家建築。
県指定有形文化財。
日本のガラパゴスと呼ばれる西表島東岸にある。
 テーブル珊瑚の平たい石灰岩を積み上げた石垣、藁葺き屋根、貫構造、イヌマキの材などが見どころ。
・沖縄文化社「沖縄の文化財」
堀家住宅

兵庫県龍野市日飼 重文永富家に勝る建築群 ・龍野市歴史文化資料館刊「庄屋の生活」

 林野の町屋
 妻に2重の入母屋屋根をおき、奈良今井町の今西家とそっくりの外観を示す。八棟造りとは破風の数が多いことを指す。壁は落ち、瓦は歪んで建物はかなり痛んでおり、3戸分に仕切られた内部も改造は多いように思う(2005.8.16)。

 旧藤田家住宅
 この建物は豪農ではなく経済力に限りのあった農民が、わずかな水田と炭焼きなどの農林業だけで暮らしていた一室と土間だけの小さな住居である。地域の代表としての豪農屋敷は後世まで維持保存され今も見ることが出来るが、一般農民の建物でしかも美的に優れた藤田家のような建物が今まで残されてきたのは大変めずらしい。移築復元前まではトタン屋根に改造されていたが、現在は愛南町の有形文化財として、温泉施設の一隅に復元され大事に維持保存されている。訪問した日もいろりに木をくべて藁屋根の薫蒸作業が行われており、久しぶりに泪が出るほど煙たかった。
 浮田家住宅


 旧新盛家住宅
 約150年前に建てられた沖縄最古の藁葺き家屋。西表島の祖内集落の主要通りに面し、フクギの防風林と古色を帯びた平べったい珊瑚石灰岩の石垣に隠れるようにして建つ。繰り返し襲う台風に備えた機能が集落に独特の景観をつくっている。柱などの主要材は本土ではあまり用いられないイヌマキで、沖縄では大木となり、堅材でシロアリに強く、伝統的家屋には気高き木として賞用されてきた。

珊瑚石灰岩の石垣



 堀家住宅
 唱歌赤とんぼの作詞者三木露風の出身地で、うすくち醤油の生産地でもある脇坂氏城下町龍野にある庄屋屋敷。屋敷は城下とは揖保川を隔てて対岸にある。下流の永富家などとともに、当地に残る豪農の遺構である。