解  説   山 姥


 京都に住む百魔山姥と呼ばれる遊君は、山姥が山廻りする有様を曲舞にして謡っていました。親の追善に善光寺へ参詣することにしました。
 越後と越中の境から乗物を降り、山路に入ると俄に日が暮れ途方に暮れましたが、宿を貸そうと言って女性が現れました。宿に着くとこの女は、曲舞を謡って聞かせてくれと云います。百魔山姥が謡い始めると、夜になって自分が本性の山姥の姿を現すから、待つように云って消え失せます。
 物凄い夜の深山で、約束通り曲舞を謡い始めますと、山姥が現れました。曲舞に合わせて舞い、自分自身が山廻りする有様を見せて、姿は行方知れずとなりました。


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