解説   田 村


 東国の僧が、京都清水寺へやって来ました。
 折から春の花盛りです。一人の童子が花の下を掃き清めています。僧はその童子に、清水寺の由来を尋ね、又、付近の名所を教えて貰います。その内に月が出て、花を照らします。その美しさを愛でるうち、童子は田村堂の扉を開蓄き、その中に入って行きました。
 僧は、夜もすがら、花の下に読経をしていますと、坂上の田村麿の霊が現われて、平城天皇の御世に、清水寺の御本尊の加護を得て、鈴鹿の逆臣を退治したことを、勇壮に再現して見せました。


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