解  説   雷  電


 菅丞相こと菅原道真は、内裏から筑紫太宰府へ左遷され、その任地にて不遇を嘆きつつ、亡くなりました。死後丞相は、梵天の憐れみをうけ、生前の恨みを晴らすことにしました。比叡山の師匠法性坊の庵室を訪れ、雷となって内裏に乱れ入るから、邪魔をしないように頼ますが、師匠は王土に住む者は、天皇の命令は背けないと断ります。丞相は、形相を変えて消え失せます。
 京都では、丞相の祟りと騒がれるほど、雷が激しく騒然となっていました。天皇は、法性坊を招き、祈祷をさせます。雷神と化した丞相が現れますが、法力に屈します。天皇は、丞相に天満大自在天と諡名を贈り、その霊を弔いました。以後菅丞相は天神さんと親しく崇められ、学問と雷除けの守り神とされています。


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