解説   淡路


 時の帝の臣下が、住吉玉津島に参詣した帰路に、淡路島の神代の古跡を尋ねました。
 稲田の水口に幣帛を立てて、信心をする里人達に言葉をかけて、其の理由を尋ねますと、当社二ノ宮の神田と答え、二ノ宮とは、伊奘諾・伊奘册(いざなぎ・いざなみ)の二神を祭るからと語り、天地開闢の時から、伊奘諾・伊奘册の国造りの有様を物語して、夕暮れの淡路山に登るように、消え失せました。
 月の光のうちに、天より夜神楽が聞こえて来て、伊奘諾の神が天下りし、天神七代地神五代の御代から、今の御代までの平安を祝し、颯爽たる姿で舞を舞い、治まる国の万歳を祝います。
 「急々之舞」という小書きが付きますと、後仕手は、古代の風俗を思わせる装束になって、舞う舞もテンポが特に速くなり、金剛流特有の颯爽さと気迫に、祝言の心意気を感じさせてくれます。


解説目次へ    展示室TOPへ    平成13年1月1日更新