独自の時代区分を採用した理由

文学作品の歴史的な位置づけは、大学入試などでも取り上げられますが、なによりその作品の内容を読み取るのに不可欠な情報ではないかと考えています。
 一般的に文学作品は、平安時代以前を「上代」、平安時代を「中古」、鎌倉時代から江戸時代までを「中世」、江戸時代を「近世」と分類しますが、政治的な時代区分と文化的な盛衰には時間的な「ずれ」があるように感じていました。
 そこで、試みに代表的な作品の成立時期や文学作品に影響を与えたと思われる社会的出来事を基準にして分類してみました。こうすることで、いくつかの事件や作品の年号を記憶するだけで、より多くの文学作品のつながりを整理して理解できるのではないかと考えました。

時代区分

全部で、9つの時代に分類しています。
 1. 700年ごろ 平城京遷都 (710年)
 2. 900年ごろ 遣唐使廃止 (894年)
 3.1000年ごろ 源氏物語執筆(1008年)
 4.1100年ごろ 院政時代
 5.1200年ごろ 平家滅亡  (1185年)
 6.1300年ごろ 南北朝対立 (1336年)
 7.1700年ごろ 元禄文化(上方文化)
 8.1750年ごろ 中興
 9.1800年ごろ 化政文化(江戸文化)

正確を期そうとすると半端な年号になりがちなので、覚えやすさを優先し切りのいい数字にしました。

作品分類

それぞれの作品は、成立年代よりも事件や他作品との関連を重視して分類しました。したがって、年代だけで考えれば、前後の区分に入るべき作品があったり、近接する作品であっても区分が違う場合があります。覚えやすさを優先した結果です。

文学史に強くなるには

まず、上記の「時代区分」を参考に9つの時代区分と、歴史的出来事、年号を覚えましょう。次に各時代の核となる人物・作品・用語を歴史的出来事と結び付けましょう。(各年代概説で紹介しています。)
 続いてBランクの人物・作品・用語を覚えます。ここまで来れば、かなりの「文学史通」です。さらに上を目指すなら、Cランクの人物・作品・用語に挑戦してみてください。(Aランク:50語 Bランク:70語 Cランク:100語)