* 『嗚呼彦根城』
* 『嗚呼彦根城』について
現存する国宝の天主は、姫路城、松本城、犬山城と写真の彦根城だけです。いくつもの破風を巧みに組合せ、美しい曲線の調和をみせる天主。彦根城の魅力は、国宝天主だけでなく、二重の堀に囲まれた城郭がほぼ江戸時代の姿をとどめているところにあると言われている。
我が家は元彦根藩にあって、井伊直弼公が伊吹方面に鷹狩に出かけられたとき、我が家に寄られたとの言い伝えもあり、より親近感をもって見てきた。
一方、武門の栄枯盛衰を慨嘆した「大阪城」や「春日山懐古」等の漢詩が残っている中、詩吟をたしなむ者として「彦根城」に関するものが見当たらないことは、やはり寂しい思いでした。 また、三橋美智也の『古城』との歌謡吟が出来る漢詩はいくつかあるが、我が地方の古城はやはり彦根城ですので、古城との歌謡吟を目的としても是非にとの思いで作詞したもの。転句に井伊大老を入れた案も作りましたが、説明調になりすぎる感じがしましたので止めた。
* 読みと解釈
歴代の井伊 剛勇の藩
最強の赤備え 関ヶ原を制す
古城 今尚 威風有り
れきだいの い い ごうゆう の はん
さいきょうのあかぞなえ せきがはらを せいす
こじょう いまなお いふう あり
ただ えいこをしのび るいがきにたつ
・赤い武具をまとい赤鬼、赤備えと恐れられていた井伊 軍は、関ヶ原の先陣を切り武勲を上げた。
(三代藩主の直孝は、大阪冬の陣で多くの大砲部隊を 指揮し講和を引き出し高く褒め称えられた)
要衝の地に天下普請として建てられ彦根城は、今も当時のままに気高い雄姿を誇っている
・今は只、古城として往時を忍びながら見つめるのみであるが、徳川300年を、いや日本の行く末を安んじようと今も見下ろしているのは彦根城のようである