小倉城
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天守閣(69年7月)

夕涼みに来ている人々であろうか、家族連れが多い。夕闇が総てを押しつつんでいたせいか、電灯の光りに浮かび上がったその城は、昭和の建造物とはいえ、その特異な姿は異国の影響を感じさせる。昔の面影を留める四層と五層のアンバランスな姿と、破風のない西洋の石造りの城を思わせるような姿。それ故に長州に焼かれてしまった昔日の城が惜しい。なぜ三層以下も昔のように忠実に復元しなかったのか、と声を大にして言いたい。その天守の前に、太平洋戦争に使ったという大砲が錆び付いておいてあるのが、場違いのようである。(69年7月)