松江城
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天守閣(69年7月)

海岸を走る9号線は快適そのもの。松江城に登城したのはよいが、想像を裏切るものである(あまり期待したのも悪かったのだが)。松江の城は、それまで写真などで少しは様子を見ていたのである。緑の中にぽつんと立っている天守を見上げて、一人、昔の世界に旅したかった。慶弔5年、関ヶ原の功により出雲、隠岐23万5千石の太守、堀尾吉晴が尼子の居城、富田月山城に入城し、その城を捨て、新たに築いた松江城。板張りの山国風のその天守も、何か寂しげに見えた。堀、石垣などはまだかなり原形をとどめており、石段のすり減った砂岩の面が、何百年という歴史を語りかけてくる。(69年7月)