格子


格子は京町家の象徴といわれているが、
滋賀や奈良などの古い町に行けばよく見かける光景である
しかし、「京の千本格子」は京町家の代名詞になってしまった感がある



ちなみに、千本格子とは、格子の意匠の一つで、
京町家の格子はその職業(元の)によって意匠が異なる
酒屋なら重い樽がぶつかってもいいように太い「酒屋格子」で、
炭屋であれば炭の粉が道に舞い散らないように僅かな隙間を残した「目板格子」
格子の上部を切り欠いて明かり取りを取っているのは、
糸を見分けるため光が必要な糸屋の「糸屋格子」
上三本が切ってあれば糸屋で、二本なら呉服屋である
平格子は商いをしない家「仕舞屋」(しもたや)の格子で、その名も「仕舞屋格子」
千本格子は格子の中でも最も華奢(きゃしゃ)な意匠で、お茶屋や料亭に多い



ことほど左様に京の格子は一律ではないが、
格子がもし、京都らしさの一翼を担っているとすれば、
格子の上の虫籠窓(むしこまど)や屋根の一文字瓦、
屋根上で睨みを効かす「鍾旭さん」(しょうきさん)や
折り畳み式のばったり床几など、京町家のファサードを構成する周辺のものも含め、
その総体として京都のイメージを醸し出しているのである


つづく・・・