正月花飾り


正月に門松を立てるのは全国共通(と思われる)
しかし、京都の旧家は、たとえどんな大店であっても簡素な「根引の松」を飾る
これは、万葉集に初見がある「子の日の遊び」に由来するもので、
新年最初の子の日に、天皇以下、人臣どもがうち揃って野に遊び、
根のついた小松を引いたり若菜を摘んで煮て食べた「初子」(はつね)の故事によるもの
京都人は「根えが着きますように」の祈りの象徴ともいう



何より「分相応」を美徳とする京都では、ご大層な松飾りは控えるものの、
根引の松以外にも「正月の花飾り」として、
青竹に季節の花を挿して道行く人の目を楽しませる風習がある



暮れのうちに伐って来た青竹を、葉の着いた小枝を少し残して
ニカ所か三カ所ほど切り込みを入れて、
簡素な花入れと見立てて花を飾り、家の玄関に飾る

(お世話になっている老松さん)

晴れ晴れと新年を迎えた嬉しさを、道行く人ともども祝おうという心の表現で、
その花の美しさとも相まって何とも美しい風景を町並みに作る
こんな習慣もまた、京都の「おもてなし」文化の一つで、
公道に向かっているところがいかにも京都
「かど掃き、水撒き」同様、「私」よりも「公」優先の京都人の生活意識が伺える


こんなチャンスも京都ならではですね!

写真は上七軒で撮って来ました

つづく・・・