果樹栽培のススメ

実だけでなく花も楽しめる

先日、スペイン各地を旅行してきました。
特に心に残った町が、地中海沿岸のコルドバです。
旧市街の民家には、必ずパティオと呼ばれる中庭があります。
パティオには壁一面に鉢が飾られ、花があふれんばかりです
そこにオレンジの木が木陰をつくっているのが印象的でした
コルトバには、至る所にオレンジの木があります
街路樹さえもオレンジなのです。日本ではちょっと考えられませんね。

ヨーロッパの国々では、多くの一般家庭の庭に当たり前のように
オレンジなどのかんきつ類やブルーベリー、ヒメリンゴといった何かしらの果樹が
植えられています。収穫した果実はそのまま食べるほか、
果実酒やジャムにしたり、あるいはちょっとした料理に使ったりします
それだけ果実が生活の中に溶け込んでいるのです

日本でも果樹を庭に植えたいという人が増えてきているようですが
なかなか定着しませんね
日本は高温多湿で虫が付きやすく、実を多く収穫しようとすると
木を大きく育てなくてはなりません。
「うちでは難しい」と二の足を踏んでいる人が、意外と多いのではないのでしょうか。

でも果樹園を営むわけではないのですから、
もっと気楽に果樹をたのしめばいいのでは。
最初はブルーベリーやスグリといった低木から始めてみるのが良いでしょう
小ぶりで、剪定によって樹形を整えやすいので、庭の景色に程よく調和します。
ブドウやキウイなどのつる性の果樹も、棚やフェンスに誘引させれば手入れも楽です

マンションなどに住む人も、鉢植えで果樹を楽しめます
大きく育てられないので、果実を多く収穫することは期待できませんが
ベランダガーデンやグリーンインテリアとして、その魅力を十二分に発揮してくれるでしょう

果樹といえば実ばかりに目がいきがちですが、アンズやスモモ、ヒメリンゴ、
フェイジョア、ザクロなど、果樹の中には実に美しい花を咲かせるものが少なくありません
目立たなくても、かわいらしい花を付ける果樹もたくさんあります
果樹は花木としての魅力も十分にあるのです

果樹にチャレンジしてみませんか。
取れたばかりの果実は、たとえ甘味が少なくても、
買ってきた果物より何倍もおいしく感じるものです