枝葉のリサイクル

燃やすに燃やせぬ落ち葉かな・・・

去年の暮れのことだったでしょうか
知り合いのお寺の住職がこう嘆いていました
「落ち葉を燃やすとダイオキシンが発生するという報告がされてから
落ち葉の野焼きが禁止されちゃいましてね。[燃やすに燃やせぬ恋心ならぬ落ち葉かな]と
いった心境ですよ。落ち葉は事業系有料ゴミになるし
廃棄物処理業者に任せるにもお金がかかり過ぎますしね
しょうがないから木を何本か切ってしまおうかと思っています」

ここでちょっとお断りしておきますが、
落ち葉を燃やしたときに出るダイオキシンはごくごく微量
軽い落ち葉焚きくらいなら、市町村によっては許されています
しかし、ここ数年、境内の落葉樹を伐採したお寺が多いと聞きます

取りあえず住職に腐葉土作りを勧めてみました
腐葉土は、土の通気性や水はけを良くする為の一種の土壌改良材で、
春に元気な新芽が出るよう、一、二月ごろに
油粕や堆肥と一緒に木に与えると効果的です



落ち葉に困っている方のために、作り方を簡単に説明しておきましょう

落ち葉を、庭の隅などに掃きためて集め、コモなどで覆って時々水を掛けながら
半年ほど発酵させます。色が茶色のうちはまだ未熟で、
黒くなったら腐葉土の完成です。
落ちた葉は木の根元に返してやるのが一番なんですね。
これはもう立派なリサイクル。
「緑のリサイクル」です

落ち葉だけではありません。
我々が常日頃出す剪定枝もリサイクル出来ます
枝を粉砕してチップ化し、公園の園路に敷き、歩き心地のよい
クッション材にしたり、マルチング材として樹木の根元に敷いたり、活用されています

現在、全国の多くの自治体でこのような緑のリサイクルが
町ぐるみで行われています
特に神奈川県鎌倉市などでは、新しいゴミの分別回収が市内全域で始まり
一般家庭から出る剪定枝を専用の樹木粉砕車で収集し、
その場でチップ化するという先進的な取り組みをしています

緑の環境を守ることは、単に緑を増やすだけではなく、
リサイクルシステムを作ることからはじめることが大切

思えばかつてわが国は、糞尿でさえ肥料として
リサイクルしてきたのですから