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かえるのひとりごと

かえるのひとりごと

切目川の自然保全を願って

落ち葉や植物が土にとけ腐葉土になるとフミン酸・フルボ酸という酸になります、この酸が、土の中の鉄分を溶かし小さな流れとなって、植物プランクトンを育て、豊富な鉄分が流域の農作物を育てます、森林や田畑は流域の鉄分を多く含んだ流れとなって動物プランクトンを育てます、川の側ではこのプランクトンが香ります(川の臭い)針葉樹林ではこの効果が低い、切目川はどのような状況なのか気になるところですが、川の流れが流域の鉄分を溶かしながら、プランクトンが小魚に食べられ小魚は、モクズガニやうなぎ、手長えび等に食べられ、カニたちは大きくなると山の養分(鉄分を多く含む)産卵のため川を降って海まで運びます。海では、豊富な養分で海草や貝・魚が豊富に育って、海産物を沢山食べる私達が食物連鎖の中にいます。海の養分は、アユやうなぎ、モクズガニ、手長えび等(回遊魚)が、川をさかのぼり源流まで海の養分を運び生態系の循環が成り立ちます、しかし、現在の川は、川の臭いや、海辺の臭いが余り感じられないと今言われています、磯やけが広葉樹林の少ない流域に起きているらしい、農作物やひじき等の鉄分の含有量が気になりますが、流域がコンクリートダムにより分断されると、フミン酸・フルボ酸がダムで堰き止められダム湖に沈殿して、ダムより下流へ運ばれません、農業や漁業など第一次産業は、徐々に衰退してしまうかもしれません、そうならないためにも、私達は、今何が出来るのか、腐葉土が1pできるのに百年の歳月がかかると言われています、海草のひじきは、本来、100グラム中55ミリグラムの鉄分を含有しているはずか、現在513ミリグラムだそうです、このような状況の中で、私たちが今食べている食料には、鉄分は無いに等しいかも知れません、切目川流域を一度調べてみたいものですが、切目川の山村では、下流域に切目があり、その中流域に切目川、最上流に真妻地区があり、上流部の人々が定住して山を守っているため、下流の田畑が守られ、農業が持続され下流に住む人々の生活の安全が保たれています。また、切目川の山村で営まれている農林業には、経済的機能だけでなく、水資源かん養や洪水調節、国土や環境保全など多面的な機能があり、こうした機能は、村や、集落、つまり、海までしっかり流れる流域があって、初めて守られるものです。しかし、近年の環境の変化により、本来の豊かな自然生態系が失われつつあり、一番山奥の一軒家が離村すれば、次の家も崩れだんだんみんな村を離れていくという現状も進みつつあります。きれいな故郷の川は、その流域の人々だけの力で守る事が出来る自然です。様々な、事象と整合性をとりながら、この清流切目川を子や孫の代に永遠と受け継いでいくために、今何が出来るのか、故南方熊楠が、今より百年前より地域の人々と共に、紀伊山地の山々の素晴らしさを叫び天神崎のナショナルトラストや、紀伊山地の世界遺産・串本沿岸域のラムサールの登録につながったと考えます、私たちは、この自然を保全する努力をしなければならないと思います。

 和歌山県は、自然が豊か過ぎて其のことに気がつきぬくく、それを叫んでも、山の小枝がサラサラと動く程度です。ビオトープ切目川では、ほたるの観察会や、アイガモの無農薬農法、牛乳バックにどんぐりを蒔きどんくりのリサイクル苗木作り等の活動をしています、腐葉土が1pできるのに百年の歳月が必要だそうですが、子ども達は二十年もすれば大人になります、この子ども達が自然の大切さを体験し、いつまでも、ほたるが乱舞する、おいしい水が飲めますよう願っています。


印南町は、水田や自然林など豊かな自然に恵まれた環境の中にあり、農業と漁業の町です、特に、切目川の流域に連なる山々が水を守り、広がりそこには、多くの動植物が生きている、実際に切目川は、この水を使った農業、安全で、生活ができ、さまざまな人間活動の基盤に、この『切目川の水』が、かかせない、これは、誇れることで、この環境保全を基盤として、自然環境を守り育てることが、人と自然の共生であり、子や孫に伝えていかなければならないことだと思います

川の水を守ることは、流域に生息する生物や生成物の環境を守ることにつながります。そのためには、普段から河川などの流域に生息する様々な野生生物を観察し、その変化などに関心を向ける必要があります

ほたるが乱舞し、いつまでも美味しい水が飲めるよう…

切目川の恵みに感謝しつつ、私たちが、いまできることは何か人々を魅了し続けてきた川の豊かさや美しさを損なわず活用する道を探っていくべきかと思います。


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