講義
主な担当科目名とシラバスです。
知覚心理学T
本科目では、知覚心理学Uとともに、人の知覚について考えていく。知覚は‘環境の認知’と定義することができる。知覚心理学Tでは知覚の視覚的側面について考察する。‘ものがみえているようにみえるのはなぜか’この問いに答えるために、どのようなアプローチがとられてきたか、その結果どのようなことがわかってきたか、どのような問題がどのような形で残っているか。このような点を理解することを目標とする。
授業計画
1.視覚の役割
2.視野の分節(0) 等質視野
3.視野の分節(1) 表面性
4.視野の分節(2) 輪郭線
5.視野の分節(3) 主観的輪郭線
6.形の知覚(1) ゲシュタルト要因
7.形の知覚(2)「図」と「地」
8.形の知覚(3) 知覚の恒常性
9.形の知覚(4)「構造の不変項」と「変換の不変項」
テキスト 使用しない
参考文献 『ヒトから人へ −知的機能の一つの系譜−』 池田 進 関西大学出版部
『心理学1 知覚・認知』 柿崎祐一 牧野達郎 編 有斐閣双書
知覚心理学U
本科目では、知覚心理学Tとともに、人の知覚について考えていく。知覚は‘環境の認知’と定義することができる。知覚心理学Tでは知覚の視覚的側面について考察した。知覚心理学Uでは、人がどのようにして自己と外界との関係を確立して生命活動を全うしているのかについて考察する。知覚という高次の活動が出来上がっていく過程を、個体発生と系統発生の両面からを理解することを目標とする。
授業計画
1.環境の認知
2.移動行動
3.高次の視覚情報
4.狙い付け
5.視覚的なフィードバック
6.視覚的なフィードフォワード
7.視野の流動と歩行の維持
8.把握と到達
9.到達にいたる過程
10.到達から把握へ
11.脳はどのようにして覚えるのか
12.意図的行動の仕組み
13.環境の生態学的構造
テキスト 使用しない
参考文献 『ヒトから人へ −知的機能の一つの系譜−』 池田 進 関西大学出版部
『手のなかの脳』 鈴木良次 東京大学出版会
認知心理学
心理学の分野の中でも比較的新しい認知心理学は、他の心理学の領域のみならず、多くの学問領域に関係し、影響も与えている。本科目は顔(表情)の認知を題材として、認知心理学の研究アプローチを紹介する。顔(表情)の認知について、いかなる研究がなされてきたかを考察することから、認知心理学を理解することを目標とする。
授業計画
1.「顔」研究について
2.Darwin(1872)の業績
3.Darwin以後の研究(1930年代まで)
4.情動の表出
5.操作主義
6.1930年代以降の研究
7.FACS(Facial Action Cording System)
8.Suzuki, Naitoh(2003)
テキスト 使用しない
参考文献 『人の顔または表情の識別について 上 −初期の実験的研究を中心とした史的展望−』 池田 進 関西大学出版部
生理心理学
生理心理学は行動の心理的機能と生理的機能の対応関係を研究する科学であるといわれる。本科目は生理心理学において指標として用いられている生理反応の中から瞳孔運動を題材として、生理心理学の研究アプローチを紹介する。瞳孔運動を指標としていかなる研究がなされてきたかを考察することから、生理心理学を理解することを目標とする。また、昨今めざましく発展を遂げている認知神経科学の現状をビデオ等により理解することを目標とする。
授業計画
1.生理心理学とは
2.瞳孔運動研究について
3.瞳孔運動研究に関する生理学的な研究の概観
4.瞳孔運動研究に関する心理学的な研究の概観
5.電子瞳孔計について
6.瞳孔運動研究に関する実験的な研究
テキスト 使用しない
参考文献 『新 生理心理学 <1巻> 生理心理学の基礎』 宮田 洋(監修) 北大路書房
『瞳孔運動の心理学』 松永勝也 ナカニシヤ出版
連絡先
〒587-8555
大阪府堺市美原区平尾1060-1
太成学院大学 人間学部 心理学科
鈴木公洋
suzuki@tgu.ac.jp
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