インドに学ぶ;生活編

前回のインドに学ぶ(食編)で少し触れましたがインドでは寝たきりや痴呆症の老人がほとんどいないそうですが、それはインドでは周りとの付き合いが多く、孤独な老人が少ない事も大きな要因だと考えられますが、

毎日の食事にギーやゴマ油、ハーブ・スパイスを採り入れ、朝は口腔内や鼻のケアを行い、オイルマッサージで皮膚、全身組織を強化、身体の浄化を行うという習慣が根付いている

ということが大きな理由と思われます。
日本では高齢化社会を迎え、老人性痴呆症の増加が深刻な社会問題となってきていますが、

現代医学でも痴呆症の予防には、”正しい食事””適度な運動””充分な睡眠”が必要と考えられているようです。

老化遅延や免疫力向上の為のヒントが”インドの知恵”に隠されているのです。

アーユルヴェーダでは老化は乾性、冷性、軽性の性質を持つヴァータの増加により起こると考えます。

冷たい、乾性の飲食物の摂りすぎ、過度な運動、夜更かし、精神的ストレスがヴァータを過剰にし、老化を招くと考えられています。

それでは、老化防止の為にはどのような生活が望ましいのでしょうか?!

@”食”を一番に重要視するアーユルヴェーダで すが、食事は”何をどの様に食べるか” を教えてくれます。
有益な食物(体質、 季節、食べ合わせ等を考慮)を適量(食 べ過ぎはアーマになるので禁忌)摂る事 が大切です。

A 適度な運動は体力をつけ、代謝を高め ますが、過剰な運動は老化を早めます。
”呼吸が乱れたらやめる”事を心に留め ておいて下さい。

Bアーユルヴェーダでは”睡眠の質”も重視しま す。カパの時間である夜、10時までに 寝て、日の出前(夏は5時半、冬は6時 頃)に起きる事を勧めています。
夜更か しは体の中に乾燥性を増し、身体内の7 つの構成要素に影響を与え、老化をもた らすと考えるからです。

C 心配事や悲しみや恐怖から生じる精神 的ストレスはヴァータを増やし、老化を 招く事になります。

内科学の古代医書、チャラカ・サンヒターによると
「精神、肉体共に病気に冒されていない。若々しく、能力にふさわしい体力、精力、名声、勇気と大胆さを持っている。知識、学問、元気な感覚器官と、その感覚器官の対象となる様々なものに恵まれていて、富みと楽しみがあり、好きなことを何でもやってみる事が出来、自由に行動が出来ること、これらを幸福な寿 命といい、そうでない寿命を不幸な寿命と言っている」とされています。

世界保健機関(WHO)に於いてまもなく、健康の定義に『スピリチュアリティ』 が付け加えられるそうですが、これは心身魂の医学、アーユルヴェーダと一致するものです。 世界で最も古く、そして最も現代に即した考えに基づいた”温故知新の医学”、アーユルヴェーダが私達に多くの事を気づかせてくれるのです。 私達も今までの生活習慣を少しずつ改め、心身ともに積極的で質の良い生活を送り、ストレスのない幸福な寿命を生きたいものです ね!!




◎ギーについて
バターから水分、タンパク質を除いて得られる油脂。インドでは古くから料理、儀式、 や医薬用に用いられている。コレステロールの心配もなく記憶力、知力、精力、消化力、活力素を増大させ、疲労感や不幸をも除去するとされ、 全ての油脂の中で最も優れている。

◎ゴマ油について
老化の原因とされるヴァータを除去するものの中で最も優れている。オイルマッサージ、鼻腔のケア、うがい、食事にと広く用いられる。

◎口腔・鼻腔内のケアと効用
ゴマ油を口に含んでうがいをすることは歯を丈夫にし歯茎の病気の予防(抗菌作用がある為)や顔を引き締め、ハリや色艶を良くします。 ”脳の扉”である鼻のケアは感覚器官を向上させ、記憶力向上にも効果的(痴呆症の予防)

◎オイルマッサージについて
季節や体質に応じてオイルを使い分ける。頭部、足、耳は特に重要とされる。筋肉組織、神経組織、皮膚などを強め、老化防止に優れた効果がある。

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