「ロード・オブ・ザ・リング」

第1部:旅の仲間 2001年・米
178分
第2部:二つの塔 2002年・米
179分
第3部:王の帰還 2003年・米
203分

(監督)ピーター・ジャクソン
(主な出演者)イライジャ・ウッド/イアン・マッケラン/ヴィゴ・モーテンセン
ショーン・アスティン/オーランド・ブルーム/ジョン・リス=デイヴィス
ビリー・ボイド/ドミニク・モナハン


「STORY」
かなり長いです^^;時間のある時にでもどうぞ。。。

1.旅の仲間
ここは中つ国。灰色の魔法使いガンダルフは、かつての盟友ビルボ・バキンズの111回目の誕生日を祝うため、人里離れたホビット庄にやってきます。
ところが、ビルボはパーティーの席上、“今日でお別れです”と言い放つと、村人たちの前から一瞬にして姿を消してしまいます。
彼は屋敷と大切にしていた【指輪】を養子のフロドに残すと、どこかへ旅立ってしまったのです。
それからしばらくの時が経ったある日、フロドは、ガンダルフから、あの指輪が冥王サウロンのものだと知らされます。
中つ国を悪の支配から守るためには、指輪を葬らなければなりません。
ガンダルフは、フロドと庭師のサムに、<裂け谷>を目指すよう命じると、白の賢者サルマンに教えを仰ぐため、<アイゼンガルド>へ急ぎます。
途中、メリーとピピンを加えたホビット4人は、ガンダルフとの合流地点<ブリー村>に向かいますが、馬に乗った幽鬼ナズグルに追跡されます。
何とか逃げ切り、村に到着したものの、ガンダルフは現れず、アラゴルンと名乗る北のレンジャーが、彼らを待ち構えていました。
ガンダルフの友人だというアラゴルンに半信半疑のフロドたちは、彼とともに、<裂け谷>を目指します。
<ぶよ水の沼地>を越えて、<風見が丘>で野営していた彼らは、後を追って来たナズグルに襲撃されてしまいます。
アラゴルンの活躍によって、ナズグルは退散しますが、フロドは瀕死の重傷を負ってしまいます。
そこに現れたのは、エルフ族の王女アルウェン。
一刻を争う状況で、彼女は生死をさまようフロドを連れて、父エルロンドの待つ<裂け谷>へ馬を走らせます。
執拗に追跡してくるナズグルは、彼女の操るエルフの魔法によって、激流に飲み込まれてしまいます。
意識を失ったフロドが目を覚ましたのは、それから3日後。
無事に<裂け谷>にたどり着いたフロドは、そこで白の賢者サルマンに裏切られ、長らく幽閉されていたガンダルフと再会します。
この地で、指輪をどうすべきか会議が開かれることになり、人間の国ゴンドールからやって来たボロミア、ドワーフ族の王族であるギムリ、エルフ族の王子レゴラスなど、各種族の代表者が集まってきました。
指輪をどうすべきか? 再び、サウロンの手に戻さないために、唯一、指輪を破壊できる<滅びの山>の火口へ投げ込むべきだと主張するエルロンドやガンダルフに対して、ボロミアは猛反発。
彼は、衰退の一途をたどる人間世界のために、指輪を役立てたいと考えていました。
同席したドワーフ族、エルフ族がそれに黙っているわけもなく、会議は紛糾。
また、この席で、アラゴルンこそが人間の王イシルドゥアの末裔であり、正統な王位継承者であることが明らかになります。
会議は、一向に結論が出ないまま。こうしている間にも、サウロンの魔の手は迫っている…、
そう直感したフロドは、自分自身の手で指輪を<滅びの山>へ持ち込むことを決意するのです。
もちろん、ホビット1人に委ねるにはあまりに危険な任務のため、ガンダルフ、アラゴルン、レゴラス、ボロミアが同行することに。もちろん、サム、メリー、ピピンも一緒です。
ここに9人から成る<旅の仲間>が結成されるのです。
彼らを見送るエルフ族のなかには、アラゴルンとの愛を誓うアルウェンの姿も。
旅の仲間が目指すのは、滅びの山がある国<モルドール>。
そこは冥王サウロンによって支配された、恐ろしい土地です。彼の旅は順調に見えましたが、サルマンのスパイであるカラス、クレバインに察知されると、ルート変更を余儀なくされます。
一行は、雪の降りしきるカラズラスへ。しかし、ここでもサルマンの魔法が雪崩れを引き起こし、フロドたちの旅を妨害します。
彼らに残された道は、<モリアの洞窟>ただひとつ。しかし、かつてドワーフ族が支配した美しい地下王国も、今では恐ろしいオークが巣食う危険な場所です。
旅の仲間は、慎重に洞窟を進みますが、ピピンのいたずらがオークを目覚めさせてしまいます。
無数のオークや巨大なトロルと激しい戦いを繰り広げるなか、フロドが負傷。しかし、<裂け谷>で再会したビルボから贈られたミスリル(鎖かたびら)のおかげで無事でした。
喜びも束の間、今度は、この地を支配する太古の悪霊バルログが出現。ガンダルフは自らの魔力で応戦し、バルログを<カザド=ドゥムの橋>から奈落の底へと突き落としたが…。
奈落の底へと落ちていくバルログは、火の鞭をガンダルフの足に巻きつけ、彼を巻き添えにしてしまったのです。
フロドたちになす術もなく、8人の旅の仲間は何とか<モリアの洞窟>を脱出。
皆が、ガンダルフの死を嘆きますが、アラゴルンが彼らを奮い立たせると、今度はエルフの国<ロスロリアン>を目指します。
ここで彼らは美しい女王ガラドリエルと出会い、しばしの休息を取ります。
その夜、フロドはガラドリエルから未来の見える水鏡を見せられ、迫り来る中つ国の危機を改めて実感。
ガラドリエルも“あなたこそが国を救えるのです”とフロドを励まします。旅立ちの朝、ガラドリエルは8人の旅の仲間に、弓、短剣、マントといった贈り物を授けます。
フロドは、暗闇を照らすといわれる水晶の瓶を受け取ります。<ロスロリアン>に別れを告げた一行は、船で大河を下ります。
途中、指輪を付け狙うゴラムに気づいたボロミアは、指輪を<ゴンドール>へ運ぼうと提案しますが、アラゴルンはこれを拒否。
二人の間に緊張が走り、フロドもまた疑心暗鬼に陥ります。
サルマンの命を受け、邪悪な兵士ウルク=ハイが、昼夜を問わず、フロドたちを追跡。その距離を次第に縮めます。
アラゴルンらは船を降り、追手の様子をうかがいますが、フロドとボロミアがいないことに気づきます。
その頃、ボロミアはフロドに対して、いかに人間世界が危機に陥っているか、それを救うため、いかに自分に指輪が必要かを力説していました。
しかし、フロドが指輪を譲る気がないと知ると、ボロミアは彼に襲い掛かってしまいます。指輪をはめ、姿を消すフロド。ボロミアも自分の犯した罪に気づきます。
そして、ついにウルク=ハイの軍団が、彼らに追いついてしまいます。アラゴルン、レゴラス、ギムリが奮闘する一方、ボロミアもまた、ウルク=ハイに囚われたメリーとピピンを救うために剣を振ります。
しかし、ウルク=ハイの放った矢が、彼に致命傷を与えるのです。ボロミアは死の間際、フロドに謝罪するとともに、アラゴルンに人間世界を導くよう訴えます。
もはや、1人で<滅びの山>へ向かうしかないと決断したフロド。しかし、そこに…。

2.二つの塔
 旅の仲間は離散してしまいます。
<モルドール>への旅を続けるフロドとサムですが、エミン・ムイルの岩場で完全に迷子になってしまいます。
しかし、フロドは“あいつ”が尾行していることに気づいていました。その夜、絶壁を降りてくる黒い影…かつての指輪所有者ゴラムです。
彼は、指輪を奪い返そうとフロドを襲いますが、逆に捕われると、二人を<モルドール>の入り口である<黒門>まで案内することを誓います。
本当に信用できるのか? しかし、フロドは、通りかかった<死者の沼>に倒れこんだところを救ってくれたゴラムに信頼を覚えるようになります。
一方、サムは、次第にゴラムに同情を見せ始めるフロドが心配でなりません。ついに<黒門>へたどり着きますが、ゴラムの提案で、別ルートへ。
しかし、その途中、3人は国境警備にあたっていたファラミアに捕えられてしまいます。
彼こそ、ボロミアの弟であり、指輪を探し求めていたのです。ついに、ゴンドールの廃都オスギリアスに連行されたフロドたち。
しかし彼らを待っていたのは、指輪を追う幽鬼ナズグルでした…。
ウルク=ハイに捕われたメリーとピピンを救うため、アラゴルン、レゴラス、ギムリの3人は中つ国の広野を駆け抜けていました。
その途中、エオメル率いるローハン国の騎馬隊と遭遇した3人は、そこで驚くべきことを聞かされます。なんと、ウルク=ハイの一団を皆殺しにしたというのです。
死体が山積みされた現場を見て、絶望する3人。しかし、アラゴルンが、その場に残った“跡”から、メリーとピピンがファンゴルンの森に逃げ込んだことを突き止めると、彼らも後を追います。
不気味な呻きが響く森の中で、突然、目の前に現れた白の魔法使い。サルマンか? いや、それは白の魔法使いとして復活したガンダルフでした。
驚きを隠せない3人を引き連れて、ガンダルフはローハン国へ急ぎます。サルマン軍の攻撃は激しさを増すばかりで、中つ国全体に脅威が広がりつつあるのです。
しかし、ローハン国王セオデンは、相談役の“蛇の舌”グリマの呪いによって、生ける屍(しかばね)となっていました。グリマは、サルマンが遣わせたスパイだったのです。
エオメルの騎馬隊がウルク=ハイを襲撃すると、メリーとピピンはどさくさ紛れにファンゴルンの森へと逃げ込みます。
そこで2人は太古の昔よりこの森を守ってきた最長老“木のひげ”に出会います(白のガンダルフにも再会)。
森の木々を切り倒すサルマンに対して、怒りを抱きながらも、なかなか行動を起こさない“木のひげ”。闇の勢力が、中つ国全体を包もうとしているなか、メリーとピピンは、苛立ちを隠せません。
しかし、ピピンの機転で、荒廃した森の姿を目の当たりにした“木のひげ”は、ある決断を下すのです。
 ガンダルフの魔法によって、グリマの呪いから解き放たれたセオデン王は、都の民を避難所<ヘルム峡谷>へと移動させます。
これまで、何度となく攻撃されながらも、決して、破られなかった<ヘルム峡谷>。
しかし、迫りくる敵陣が1万を数える一方、ローハンには少年や老人も含めて300前後の男性しかおらず、レゴラスが弱音を吐くほどの劣勢。
そこに、予想だにしなかった援軍がやって来ると、ついに、中つ国の未来をかけた激闘の幕が上がります。

3.王の帰還
エント族の奇襲によって破壊されたオルサンクの塔に、皆が集合。エルロンドはアラゴルンに“王の剣アンドゥリル”を与えるため、馬鍬砦(まぐわとりで)にやって来ます。
その後、アラゴルン、レゴラス、ギムリは、ゴンドール攻防戦に備えるため、“死者の道”に棲む亡霊を兵士として召集します。
この亡霊たちは、大昔ゴンドールの王だったイシルドゥアに忠誠を誓いながら、サウロンの誘惑に乗って王を裏切り、その後、姿を幽鬼に変えられていました。
今回、アラゴルン(=イシルドゥアの末裔)とともに戦うことで、ついに成仏できるのです。
そして、舞台は第3部、最大の見どころともいえる“ミナス・ティリス(守護の塔)”へ。この都こそが、人間たちの最後の砦であり、希望といえる場所。
ゆえに、サウロンは大量の兵士や巨大生物オリファントを投入し、陥落させようとします。決して優勢といえない状況で、ついに戦いの幕が切って下ろされようとしています。
ミナス・ティリスへやって来たピピンは、ここを治めるデネソール(ボロミア、ファラミアの父親)に奉公を誓います。また、メリーも兵士になる道を選び、エオウィンもまた戦いに参加します。
“ペレンノール野の合戦”ミナス・ティリス城下に広がる平原を舞台に、ローハン軍(セオデン王やエオメル率いる部隊)とアラゴルンたちが召集した部隊が一致団結して、恐ろしいサウロン軍団を迎え撃ちます。
巨大な翼竜やオリファントの攻撃も激しく、次々と人間たちの命が失われていきます。また、サウロンの目をフロドから遠ざけるため、“黒門”でも壮絶な戦いが繰り広げられます。
ゴンドールの都、オスギリアスの下水道を抜けて、“滅びの山”を目指すフロド、サム、そしてゴラムの三人。
彼らがまず目指すのは、幽霊の塔とよばれる“ミナス・モルグル”。元はゴンドールの都であり砦であったミナス・イシル(月の出の塔)だが、“ナズグル”によって陥落し、今も恐ろしい幽鬼たちが支配する場所です。
すでに指輪の力によって、肉体的にも精神的にも侵されているフロドは、ここでさらなる危機に直面します。その後、サムと別れたフロドはキリス・ウンゴルへ。
巨大な蜘蛛“シェロブ”に襲われますが、追いかけてきたサムが命を懸けて闘います(彼が手にしているのは、エルフのガラドリエルからもらった玻璃瓶<はりびょう>とつらぬき丸)。
徐々に近づいてくる三人を“バラド=ドゥア”の冥王サウロンも察知。幾多の危険をくぐり抜け、ついに“滅びの山”へたどり着いたフロドは、無事に指輪を葬ることが出来るのか? 
ゴラムの真意は? 
フロドとサムの運命は?




「感想」

まぎれもなく、映画史に残る超大作ファンタジーです。
映像がとにかく凄いです。この映像だけでもこの作品を観る価値はあると思います。
また、この映画にかけた年月の多さと制作費にも脱帽です。
監督、スタッフ、出演者のプロ(職人)としての心意気が伝わってくる作品。
やはり、観ておくべき作品ではないでしょうか。

強大な力を手にいれることが出来る指輪をめぐって
壮絶な物語が展開するのですが、
「心」に出来る欲や憎しみなどの心の闇が
大きな敵となり壁となります。
それは、今、自分が生きてる時代
それも自分自身に言えることかもしれません。
一番の敵は自分の心・・・
だから、フロドは敵が襲ってくるよりも
自分の心との戦いに苦しむことになるのです。
そして、その心に負けてしまった象徴がゴラムだと思います。
醜い姿と、善と悪の間で彷徨うゴラムを見ていると哀れでした。

それから、平和とはこんなにもたくさんの血と涙を流さなければ手に入れることが出来ない
遠い存在であり、それだけ尊いものなんだなと感じました。
もちろんこの作品では、サウロンという強大な敵との戦いであり、
よって大きな犠牲を払わなければならなかったのかもしれませんが、
今の僕達の平和な暮らしも
過去からの多くの方の血と涙の上に成り立っているのだと思います。
それも人間同士の戦い。。。
ともすれば当たり前かのように思っている平和は、
全然当たり前じゃなくてもろいものなのではないでしょうか。

そう考えると、この壮大なファンタジーは全く別世界の話ではなくて
とても、身近な話だと思いました。
それから、
最後までフロドを信じ、励まし、支え続けるサムの姿が
特に印象に残っています。
時に痛々しいほどの忠誠心。
また、サムに魅力を感じるのは、彼がごく普通の人だからと思います。
彼は王の帰還でフロドにホビット庄の話をします。
彼の夢は、そのホビット庄でごく普通の暮らしをすること。
その欲の無い純粋なサムだからこそ、フロドを守り抜けたのだと思います。
しかし、サムの一番の魅力は過酷な旅をしているにも係わらず、
可愛く太っていることかな^^;
いい意味で観ていて悲壮感がなくホッとしました。

今年度アカデミー賞11部門制覇の伝説の3部作。
是非じっくり観て下さい。


実は、1、2の復習をきっちりせずに王の帰還を観てしまい、
忘れていることもいっぱいで、必死に思い出しながら、また考えながら
観ていたので、あまり感情移入出来なかったのが残念^^;
だから、この感想にも非常に時間がかかってしまいました。
それにアラゴルンの名前がどうしても覚えられない、
とんだ映画好きです^^;
そんな自分がHPで感想を公開していることがコワイ。。。

DVDが出たら、3作を再度じっくり観たいと思います



2004/03/06 Kid