Reenactment Group "BCo/100Bn""

このページは、管理人「先任」の趣味としているWWUリエナクトの写真を掲載しています。
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糧食再現について、その1

このページではリエナクトにおける、糧食の再現について述べています。
もちろん「こうでないとダメ」と言うわけではなく、私どもの考えとやり方を紹介する事で、食事に関する再現を考えている方への参考となれば良い、という思いからです。

糧食の再現、と言っても形や実施法は様々かと思います。
我々も、KP(KitchenPatrol 糧食班)の再現や、携帯レーションの再現をする事で、状況を続けたままでの食事を実施する事もあれば、人数や場所、時間等の制約により、様々な形で省略する事もあります。
KPリエナクトをやる場合を別にして、多くのWW2アメリカ軍リエナクターは戦闘部隊の再現をしていることと思います。
その場合、食事準備に機材や人、時間を取られる事はなかなかに厳しい事かと思います。
しかし、糧食は再現の中でも重要な部分、と私は考えています。
ヨーロッパ戦線に従軍し、一度も戦闘も(訓練以外での)発砲も経験せずに帰国した兵士は多く居ますが、レーションを食べずに帰国した兵士はまず居ないでしょう。
格好だけでなく、その生活や風俗を体験して行く上で重要な糧食再現。
「せっかくのキャンプだし、美味いモノ食べたい」という気持ちもわかりますが、「せっかくの軍装してるんだし、リアルな食事にしてみたい」というのもいかがでしょうか?
美味いモノは家でもどこでも食べれますよw

Movie of Reenactment 100th Battalion "Nisei Unit" U.S.ARMY Italy.Jun.1944//May 2017 In Japan


それらの再現の中からBレーションの例を簡単に紹介いたします。

・KP、メスエリアの再現


ラージウォールテントと呼ばれる大型天幕を使用した野戦炊事所です。
フィールドレンジ(野戦調理機)は戦後型。


食材としては補給の問題で10in1レーションや缶詰、乾燥物等が主流で生鮮食品はあまり使用されません。


コンビーフハッシュとマヨネーズによるサンドイッチを準備中。




ミンチマシーンを使用して肉をミンチに。ハンバーグやミートボール、ミートローフが作れます。


フィールドレンジでハンバーグを焼いています。隣のレンジでは野菜をボイル中。








フィールドレンジの大鍋で調理中。




手前は食器洗浄ライン。
バケツは奥から残飯捨て、第1洗浄(洗剤入りの湯、ブラシで洗う)、第2洗浄(真水の湯、洗剤を流す)、第3洗浄(真水の湯、再度煮沸)の順に使用します。



メスホール。
ラージフライを使用した喫食場所。


宿営地
右手前は兵士個人用のシェルターハーフ(2人1組で使用) その奥の中型テントはスモールウォールテントで倉庫として使用。
一番奥がKP用ラージウォールテント、その手前が中隊本部ピラミダルテント。
左端はラージフライでメスホール(食堂)として使用しました。

これはリエナクトメントにおいて理想とする再現の一つで、戦闘部隊等とは独立した糧食班を編成、機材を用意することにより、参加者への再現されたレーション(糧食)を支給するものです。
人員、機材ともにそれなりに大掛かりになる上、ある程度の経験者が仕切らないと、なかなか難しいものになるかと思います。
我々も活動当初から目指していた物ではありますが、いまだに完全、とはとても言えません。


・簡易的なKP、配食ラインの部分的再現


比較的小さな天幕を使用し、最低限の調理器具で調理を実施。


簡易的な配食台を用意し、配食します。
メスホール、洗浄ラインなどは省略しています。
なお、洗浄ラインの再現が困難な場合、食事後に状況を切り、お湯とキッチンペーパーを使用して食器を洗浄すると、水の消費を抑えて洗浄できます。


・配食ラインのみの再現(調理場は想定外とし、離れた場所に設置)



調理場なども省略し、宿営地とは離れた場所で現用品なども使用して調理を行い、配食のみ再現しました。
KP(糧食班)としては再現でもなんでもなくなるが、食事を受け取る兵士達にとっては影響は少ないです。
我々も機材が揃ってくるまでは、この方法が主流でした。

・コンビニ調達レーション




極端な一例として「コンビニで調達できる物」だけを使用したメニューも可能です。
食パン、レトルトビーフシチュー、コールスロー、グルーンピース、フルーツミックス、コーヒー。
これすべて、1軒の7/11で買ったもの。

ちなみに、メニューについてはあまりに多種多様であり、それらを紹介するのは難しいので記載しませんが、原則として以下に注意する必要があります。
・軍の補給態勢、戦線、品目に注意すること。
・当時存在したメニュー、食材であること。
・部隊の地方特性なども考慮すること。
・基本としてサラダ、芋、野菜、肉類、パン、ファット、デザート、飲料で構成されており、配食される順番もこの通りです。
ただし、このメニューは全種類が必ず用意されるわけではなく、たとえばシチューで芋、野菜、肉を兼ねる場合も有り得ますし、省略される場合もあるでしょう。
特に基地、駐屯地などで支給されるAレーションはともかく、野戦糧食であるBレーションではその傾向は強かったようです
しかし、同時に肉類が2つ出るなどは普通は無い(肉入りシチューとハンバーグ、パンとクラッカー など)

また、米軍においてはポテトサラダ的な位置づけであった米だが、日系部隊においては上級司令部による特別な配慮や、他部隊から肉と交換して手に入れたりなどで主食として出た場合も多かっそうです。
もちろん毎食、と言うわけではないが3日に1回程度はコメを食べた、との証言もあります。

以下、これまでに実施したBレーションの一部を紹介します。

・Bレーション、メニュー例
※これが正解、と言うわけではなく、当時の証言や写真、また米軍の支給品の中で組み立て、再現として行ったものです。

オートミール、ポーク&ビーンズ、マッシュポテト。スクランブルドエッグ。フルーツカクテル、コーヒ−。
大変オーソドックスな米軍メニューです。


ドライフルーツ入りシリアル、無糖練乳、ポークハム、茹でブロッコリー、コーヒー。


クラッカー、ジャム、スクランブルエッグ、スパム、ズッキーニサラダ、アップルジュース。


ムスビ(オニギリ)、ローストチキン、ベジタブルスープ。


朝食の一例
シリアル、焼きスパム、スクランブルドエッグ、ズッキーニの塩漬け、フルーツカクテル、コーヒー。


パン、ハンバーグステーキ、茹で野菜、ピーチ、マッシュルームスープ。


パンのミンチ入りクリームソースかけ、スクランブルドエッグ、茹でアスパラガス。コーヒー。


日系兵士独自のハワイ郷土料理であるチキンヘカ。
軍支給の食材の他、戦地の農家などから手に入れた肉、野菜をコンソメと砂糖で煮て作られた。


ホットドッグ
※通常のメニューではなく、増加食や糧食班のサ−ビス、慰問などで振舞われた例がある。
ちなみにアメリカのホットドッグには2つのルールが存在する。 が、書かないw


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