北海道〜大阪 3泊4日温泉めぐりツーリング

本州最北端・大間崎でジャンケン、グー!
本州最北端・大間崎で、Goo〜

 2002年6月、青森で同窓会が開催されることになった。 さて、どうやって青森まで行こう? 行くなら飛行機や電車より、やっぱりバイクで行きたいし。 そこで考えたのが、どうせならフェリーで小樽まで渡って、走って帰ってこよう!という計画。むふふー、面白そうやおまへんか。

 6月27日午後5時半、大阪府南部の自宅発。午後9時過ぎに舞鶴港に到着。乗船までの間、岐阜ナンバーの旧式Z750に乗ったライダーとしばし話をする。レストアしたものを大事に乗っているそうで、バイクに対する思い入れを感じる。しかし、この時期はまだまだフェリーに乗り込むバイクも少ないぞ。(本日の走行距離:175km)

 6月28日、一日フェリーの中で過ごす。フェリーの旅は時間がかかるが、この時間が遠く北海道へ行くという実感をわかせてくれるし、ツーリングの計画を練るのにもちょうどいい時間となるんです。心がはやるで!

 6月29日午前4時、フェリーはいよいよ小樽港に到着。まだ明けきらぬ曇り空のした下船する。これから長い長い距離を走るのだぞ!わくわく。

 小樽市内を抜け、ニセコ方面へ。早朝の5号線は通行する車もほとんどなく、どんどん進む。こう気分のええ時には、ヘルメットの中で思いつく唄を大声で歌いながら走るのだ。この時はなぜか「おさかな天国」。ヘルメットの中は♪さかなさかなさかなー♪の天国状態。途中、道の脇でトレーラーの荷台にトラックの運転席部分をさらし首のように並べた不思議な物体を見る。あれはいったい何なんやろう?売り物?それとも見世物…?

 羊蹄山にさしかかる頃にはすごい霧が出てきたがな。みるみるヘルメットのシールドが水滴で濡れ始め、着ているものも湿ってくる。仕方がないのでカッパを着ることにした。これじゃあ羊蹄山も見えんやんか。しかも長万部に入る頃には本格的に雨が降り出してきた。おまけに寒い! ちょうど目に入ったコンビニに飛び込み、熱いお茶とおにぎりの朝食タイムとする。…そういや、道南のほうには北海道で定番のコンビニ、セイコーマートが少ないなあ。全国どこにでもあるブランドより、地方のブランドの方が旅心をくすぐられるのにね。

 長万部からは内浦湾沿いを南下する。天気がよけりゃぁ景色もええんやろうに、今日は灰色の空と海しか見えないよー。「道の駅・You遊もり」でトイレ休憩。さて、ここで迷った。函館まで278号を海沿いに行くべきか、5号線をまっすぐ南下すべきか。はじめは青森行きのフェリーに乗るつもりで、昼ごろ函館に着けばいいと思っていたが、今はまだ7時半。ひょっとすると大間行き9時発のフェリーに間に合うかも知れない。やっぱりライダーの性として本州最北端は攻めたいところ。迷っていたらどんどん時間がなくなると思い、とにかく5号線をぶっ飛ばすことにした。函館に入る頃にはすっかり天気も回復。給油と港までの道を聞くためスタンドに入る。すると威勢のいいスタンドの兄ちゃんが大きな声で「いいお天気でよかったですね!」「・・・このカッパ見てよ。ここまでずっと雨やったねんで。」などと喋りながら、フェリー乗り場はすぐそこだと教えてもらう。

 函館港フェリー乗り場着午前8時40分。なんとか9時のフェリーに間に合った。喜んで大間行きフェリーに乗船。フェリーに乗って、言葉がいきなり東北訛りになったのに驚いた。周りで喋っている人たちの会話がまったく理解できない! そういや、北海道ってほとんど訛りを感じないもんね。これから違う文化圏に向かっているのだなーと実感しつつ、しばしの眠りのむさぼる。なんと北海道滞在5時間にも満たなかった。

日本最北端大間崎で記念撮影 午前10時40分大間港着。小さな港や漁師町を抜け大間崎へ。記念写真を撮ろうと思っていたら、目の前の土産物屋のおばちゃんと目が合ったので、シャッターを押してもらう。お礼にマグロのキーホルダーを買うた。(って、食えまへんで、金属製。)

 さてと、腹も減ったことやし昼飯でも、とマップルに載っていたかもめ食堂に入り、大間崎丼をいただく。甘辛く煮たイカとホタテがたっぷり入った丼。吸い物付きで1500円也。ご飯がススム君で美味かったです。

 昼食後、左に曇天の日本海を望みながら、279号線・むつはまなすラインを快走。以前、南九州ツーリングで出会った北海道出身・アフリカツインのあっちゃんから聞いていた奥薬研温泉を目指す。ここの「かっぱの湯」は無料混浴露天風呂! しかし、こんな真っ昼間に女性が入ってるわけないわな。

奥薬研温泉・裏ガッパの湯 しばし湯に浸かってくつろいでいると、地元のおっちゃんに話し掛けられた。なんでもこのすぐ近くにもっといい温泉があると云う。薬研温泉方面に少し戻ったところの道沿いにある名前もない温泉とのこと。そりゃー、行くしかないやん。

 教えてもらったとおりに行くと、トンネルの少し手前にありました。道端のなーんにも目隠しがない脱衣場で服を脱いでいると、さっきのおっちゃんもやって来た。道から一段下がった川原に脱衣場と湯船があり、すぐ下に池と見間違うような湯船がもう一つある。そのすぐ横には渓流がさらさらと流れていると云った抜群のシチュエーション。道を歩く人からは丸見えなんやけどね。・・・っちゅうてもほとんど歩く人はおりまへん。おっちゃんは青森市内の人で、休みのたびにここに来るとのこと。ほんま、ええ温泉ですわ。(あとで聞いたところによると、ここは「裏がっぱの湯」とも呼ばれているらしい。)入浴料0円也。

 ゆっくり温泉を楽しんでいたら午後2時を回ってしまった。げげっ、今日は青森市のはずれ、浅虫温泉で5時に待ち合わせやった!
 天気も回復し、湯上りの体に爽やかな風を感じながら279号線を南下、陸奥湾を眺めつつ、ここにいること、ツーリング中であることの幸せを感じる。野辺地で4号線に乗り換え、午後5時に予定どおり浅虫温泉に到着。今日のお泊りは「宿屋つばき」。研修仲間との再会を喜び、早速みんなで温泉に入るのだった。ここでは、屋上にある、露天で樽の家族風呂がよかった。あー満足。(本日の走行距離:418km)

べっぴんに見送られ浅虫温泉を出発〜 6月30日 旅館で豆腐づくしの朝食をお腹いっぱい食べ、研修仲間のべっぴんさんたちに見送られながら浅虫温泉を出発。別れを惜しむ女性たちには気の毒だが、俺は行かねばならぬのだ。

 本日の天気は快晴!気分がええぞ。とりあえず一度見てみたかった奥入瀬渓流を目指す。県道40号線は手ごろなアップダウンと快適なコーナーが続く楽しい道。ここから見えた八甲田山がまた最高でした。奥入瀬渓流ではバイクを停め、しばし渓流沿いを散策。まさにいつか見た絵ハガキのような風景。でも、奥入瀬って渓流沿いにずっと国道が通っているのね。知らんかった。

 その102号線を通り、十和田湖へ。103号線・十和田湖沿いのワインディングではZRXのハンドリングを楽しみつつ走っていたら、あっという間に展望台を通り過ぎちゃった。まあええわ、またそのうち来るでしょう。

十和田湖畔で記念撮影

 さてここからは、昨夜研修仲間の秋田美人に教えてもらった大沢温泉に行ってみようと、時間節約のため不本意ながら東北自動車道を利用する。十和田ICから花巻南ICまで一気に南下、大沢温泉はICから意外と近かった。山水閣の露天風呂は混浴ではなかったが、渓流を見下ろせる広い湯船が気持ちええ。湯の温度は少し熱め。何度も湯から出たり入ったりしながら秋田の温泉を堪能しました。

大沢温泉の露天風呂。横には川のせせらぎが・・・。   大沢温泉山水閣の入口です

 ここからは、日本海側に出て今日行けるところまで行ってみよう。と思いつつ、またまた時間短縮のため秋田自動車道を北上西ICから横手ICまで、そして107号線で日本海を目指す。ところで昨夜、研修仲間から、秋田には名物のアイスクリームがあると聞いていた。なんでも道端にパラソルを立ててアイスを売るおばちゃんが、秋田の国道沿いのいたるところに居ると言うのだ。そのおばちゃんが、コーンにヘラでアイスを盛ってくれると云う名物アイス。こりゃー食うてみんといかん。107号線・本荘街道を気持ちよく走っていると、おるがなおるがな、パラソルを立てたおばちゃんが。本荘市に入ったあたりの道端のパーキングにパラソルを発見。バイクを停め、おばちゃんにアイスを注文したところ、おばちゃんは期待通りヘラを取り出し、コーンにアイスを盛ってくれました。なるほど、これが秋田名物の○○ヘラ・アイスかー。

 満足してアイスを食べていると、地元ナンバーのマジェスティが停まった。大阪出身で、今は秋田でキャンピングカーの制作をしていると云うマジェのライダーは、これから日本海に向かう私を親切にも道案内してくれるとのこと。なんでも、絶景のビューポイントがあるのだとか。しばしマジェの後について走る。地図を睨みながら走らなくていいというのは気が楽ですなー。

 107号線から県道43号線を通り、地元でなければ知らないであろう道を抜けると、高台を超えた時に突然、光り輝く日本海が目に飛び込んできた。山道を走り続けた後、突然現れる日本海。思わずため息が漏れるほどの素晴らしい景色でした。そのあとすぐ、7号線で別方向に行くマジェとは別れたが、やっぱりライダー同志、感じあうものがありました。あのときの景色を見せていただいたマジェのライダーさんに感謝。

三崎公園キャンプ場で一人寂しくキャンプ 夕刻、道の駅・象潟に到着。でもキャンプできそうなところがない。マップルを見て、近くにあった三崎公園キャンプ場の管理人さんに電話をしたところ、他に客はいないがキャンプは可能だとのこと。喜んで、山形県との県境に近い三崎公園キャンプ場でテントを張った。その後、道の駅・象潟まで引き返し、日本海を望む温泉に入る。

 この温泉は道の駅の建物の上階にあり、あいにく露天ではないが大きな窓からは広く日本海が見渡せる、絶景の温泉でした。入浴料350円也。帰りに食材とビールを買い込んでキャンプ場に戻ると、管理人さんが来てくれていた。キャンプ料金310円也を払い、小樽から大阪に向かっていることなどを話すと、これを食べろと生玉子を10個も出してきたではないの。一人で10個は多すぎると断ったが、いいから持って行けとのことなので、ありがたくいただきました。キャンプ場では、たった一人で日本海に沈む夕日を眺めつつ、ゆで玉子をつまみにしみじみとビールを飲むのだった。(本日の走行距離:472km)

 7月1日 昨日は温泉に行こうとして慌ててテントを張った場所が少し傾いていたのと、時折駐車場に入ってくるクルマの音で熟睡できなかった。テントから出ると、空からは今にも雨が落ちてきそうな気配。大急ぎでテントを撤収し、ゆで玉子を食べて出発。あー玉子三昧! 管理人のおっちゃん、ありがとう!

 走り出して、山形県に入るとすぐに雨が降ってきた。気分は憂鬱。7号線を淡々と南下する。ただただ淡々と走る。こういう時、ヘルメットの中では♪たんたんタヌキの〜〜などと歌っているのだ。タンクバッグにはレインカバーをかけているので地図を見ることもできない。道路標識に従い、7号線を延々と走る。こんな時は、家でTVでも見ていたらとか、なにが嬉しくてこんなことしてるんやろかと時々思ってしまう。でも、やっぱりこういう雨の日も含めて、ツーリングには行きたくなってしまうんよね。・・・ライダーって自虐的かも?

 新潟県に入り道の駅・朝日で休憩したときに気付いた。海沿いを走るつもりがずいぶん内陸を走っているではないの。345号線を行っておくべきやったー。と思ってももう遅い。まあ、また来てやろうやないの。道の駅・朝日で食べたのはサケアイス。アイスに酒・・・やなくて、魚の鮭が入っているらしいが、なんともおつな味でした。

 ここからは軌道修正。海沿いを走るため、7号線とお別れし、345号線から113号線へと乗り換える。しかしまあ、新潟県で見るコンビニは「SAVE ON」ばかり。新潟版セイコーマートかな?
 新潟市内ではずぶ濡れ状態でラーメンを食べ、その後も黙々と走り続ける。8号線、道の駅・能生まで走ったところでその後の行き先を考えた。とにかく、どこか温泉でゆっくりしたい。富山県方面の海沿いにはしばらく温泉はないみたいなので、糸魚川から長野方面に入ることにした。糸魚川から148号線を南へ。フォッサマグナと書かれた看板がよく目に付く。ここまで来れば、スキーに行くために走り慣れている道なので、少し気が楽になる。

道の駅・小谷の露天風呂 道の駅・小谷(おたり)の小谷温泉で入浴料500円也を払い、本日初入浴。露天風呂で雨に打たれながらもようやく人心地ついた。

 雨の中、長時間走り続けた体をじっくり温め、今夜のことを考える。今日はもうキャンプはせずに、とにかく宿に泊まりたい。マップルで、少し先に白馬山麓温泉YHがあるのを発見。温泉と云う文字に気を良くし、電話をかけると宿泊OKとのこと。あたりが暗くなるころ、白馬山麓温泉YHに到着。

 部屋で着替えたあと、すぐ近くの木崎湖温泉でゆっくり温泉に浸かった。この温泉館、最近できたものらしく、建物は綺麗で結構なのだが、温泉がすべてタイル張り。露天風呂までも四角いタイル張りだった。ちょっと味気ないねー。でも風呂上りに食べたチーズとんかつは、わさび醤油で食べるもので美味かった。(本日の走行距離:451km)

 7月2日 この日も朝から雨模様。仕方なく湿ったままのカッパを着て、午前7時半出発。今日は白骨温泉に入ろう。147号線を松本まで南下、158号線で乗鞍方面に向かう。その間、雨は降ったり止んだり。関西人の私から見て不思議に思ったのは、長野の人は雨が少々強くなっても傘をささないことだ。雨の国道を走っていると、傘をささずに歩いている人などを良く見かけた。朝から雨なんやから、傘の準備がない訳でもないやろうに。雪国の人の習慣なんかな?

 158号線から県道300号線を通り、午前10時白骨温泉着。渓流沿いの丸い湯船に白濁した湯がまさに温泉!と云った感じで、来た甲斐がありました。湯の温度はぬるめなので、いつまでも浸かっていられそうです。が、混んでくると待つ人が並ぶので、ほどほどで上がりましょう。入浴料500円也。

白骨温泉・公共風呂の入口   この乳白色の湯はまさに温泉!

 そういや朝メシがまだでした。信州といえば、そば! 温泉のすぐ近くにある食堂で食べたざるそばが美味かったー。

乗鞍スカイライン通行止め!(泣) 白骨温泉からは、乗鞍スカイラインを走ってやろうと上高地乗鞍林道を通り、エコーライン入口まで行くが、表示板には雨量規制のため通行止めの文字が・・・。

 この天候で乗鞍スカイラインに行っても楽しめないだろうと諦め、引き続き上高地乗鞍林道を奈川方面に向かう。県道26号線沿いでドライブイン・そばの里奈川を発見。さっきのざるそばが美味かったので、ここで昼メシを兼ねたざるそばをもう一枚いただいた。やっぱり信州で食べるそばは最高ですがな。ん〜、満足!

 そばのあとは、もう一回温泉! てことで、すぐ裏の、渋沢温泉「ウッディもっく」で温泉に入った。ここは残念ながら露天風呂はないが、窓からは渓流が見える綺麗な温泉でした。平日でもあり、誰もいない温泉で一番風呂なのも良かった。入浴料300円也。

 雨も上がった山沿いの県道26号・奈川木祖線は交通量も少なく走りやすかったが、木祖村から19号線に入ると、とたんに交通量が増え、ペースが遅くなった。しかも片側1車線が延々と続く上に大型トラックが多く、追い越しもままならない。ここは無理せずのんびり走ろう。途中、休憩をかねて寝覚の床でバイクを停め散策。ここではやっぱり五平餅でしょ。川原に下りて五平餅を食べていたら、また雨が降り出してきた。今日はカッパを着たり脱いだり、いつもの雨男の本領発揮かな。

 遅くならないうちに自宅に到着しようと思い、中津川から中央高速へ。高速を順調に走っていたのだが、小牧JCTが近づいたところで、いきなり雷を伴う豪雨に見舞われた。今日はこれまで小雨でもあり、タンクバッグにカバーをしていなかったのだが、高速での突然の豪雨では停まってカバーをかける訳にもいかず、20分ほど豪雨の中を走行のあと、バッグの中身はびしょ濡れだった。地図がフニャフニャやんかー。気分もフニャフニャ〜。

 春日井ICから19号線を通り東名阪道・勝川ICに入る頃には雨も上がって晴れ間が覗く。なんやったんや、さっきの豪雨は・・・。そのあとは走り慣れた道を名阪国道、西名阪道、近畿道と乗り継ぎ、自宅に帰り着いたのは午後6時だった。ただいまー、腹へったー。(本日の走行距離:488km)

おわりに
 2年前にバイクを買い換えて思い立った「こま切れ日本一周」ですが、今のところ順調に距離を伸ばしています。これも嫌な顔をせず送り出してくれる妻やおやじの遊びを応援してくれる子供たちのおかげです。そんな私も、普段はよきマイホームおやじとして休日には掃除や買い物に励んでいるんですけどね。

 ところが今年の冬、家族で出かけたスノーボードで、不覚にも他のボーダーと衝突してしまい、左足を骨折。足にプレートを入れる手術をして、まともに歩けるまでに3ヶ月かかりました。でも、ツーリングへの渇望は捨てがたく、足が治ってすぐ、この夏も北海道ツーリングに行きました。あー、楽しかった!!
 ライダーにとってはツーリングが何よりのクスリですわ。いやホンマ。

ツーリングのトップに戻る
ツーリングのページに戻る

トップへ
トップへ
戻る
戻る