ちょっと激流!? 奈良・吉野川

吉野川の急流の写真・'99年7月、2〜3日続いた雨の後、奈良県五條の吉野川に行ってみた。栄山寺から下市方面に走っていると、麻衣が「おしっこー」。ちょうど道端に小さなトイレと公園が「ようこそ」と待っていた。そこでクルマを停め、すぐ横を流れる吉野川の様子を見てみる。そこには、茶色い濁流がえらい勢いで流れ、岩場では大きな落ち込みをつくっているではないの。同行のヨシモト氏と「こら、ちょっと危ないかなー?」と話しながら、隣で同じように川を見ていた人(その人のクルマにはロデオ艇があった)に聞くと、「これぐらいがちょうどおもしろいですよ。上流のボーリング場跡のところから下るとええですわ。」と教えてくれた。「ダッキーならいけるかな。」と、まずは私のバナナボートでヨシモト氏と2人、様子を見に下ることに。

・3〜4kmほど上流のキャンプ場横に駐車場所を発見し、川原に降りてみると、たくさんのポリ艇やロデオ艇に乗った人たちが大きな瀬の立つポイントで遊んでいる。その横からダッキーを出し、下流へ向け出発。少し行くと大きな瀬の音が…。初めての川なので、とにかく水深のある方へと中央突破。前後左右から「ほれほれほれ!」と吉野川にゆすぶられ、「これでもか!」と水をかけられ、びちょびちょになって「いや、すごい。感心しましたー。」と云いながら通過。それからも胸あたりまで水をかぶるような強烈な瀬が「待ってました」と次々と現れる。特に右にカーブを回りながら突入する瀬は、大岩の間を抜けていく、藤原紀香の胸の谷間のようなとてもダイナミックな瀬なのであった。「わーわー、ひーひー」云いながら漕ぎぬけていくと、30分足らずでもとの公園に着いてしまった。その公園の下が、大きな落差のホールになっており、バウからストンと落ちた後、今度は真上を向くようにバウが跳ね上げられる。真っ直ぐに突入すればとてもおもしろいが、横を向いて入ってしまったら…違う意味でおもしろそうだ。

カヌーに乗る子供たちとカヌーチワワ・ジャンプ・「あー、おもろかった。お前らも行くか?」と子供たちに聞くと、こないだから沈に見舞われてばかりの麻衣を除いて、「行く行く行く!」との返事。腹ごしらえをしてから、ダッキー2艇に子供を乗せて下ることにする。今度はさっきの出発地点よりさらに上流、R370沿いのボーリング場跡(ボーリングのピンの看板が立っているが見えにくい)から少し下に、おとりアユ販売所がありその横に広い空き地と川へおりられる道を発見。早速ダッキーを2艇膨らまし(これが結構つらいんだ)、出発。少しの間緩やかな流れ…かと思いきや、「いないいないばあー」と隠れ岩が所々出現し(水量の少ない時は顔を出しているのだろう)、2回ほど乗り上げてしまった。わがバナナボートの底はなかなか丈夫なので、少々の隠れ岩は平気だが、時々、乗り上げて止まってしまう事がある。そんなときは、カヌーの上で「腰振り運動」をしてちょっとずつ動かしながら脱出する。でも、この格好、端から見るととてもかっこわるいのだ。(それも親子3人でやってたら相当笑える。)

・少し下ると瀬の音が聞こえて来た。子供たちが立ち上がり、前方の水深を確認する。「右が深いー。」「よーし、右に突っ込めー!」ってな具合で次々大きな瀬に突入。そのたびにバナナボートはまたもや「ほれほれほれ!!」とゆすぶられ、水が前から横からかぶさってくる。子供たちも「きゃーきゃー」云いながら楽しんでいる。こんなにスリルと爽快感のある急流すべりは、どんな遊園地にもないだろう。「どーだまいったか」と吉野川が云っている。そんな瀬を2つ3つ越え、大きく左に、次に右にカーブすると先ほどの出発地点が見えて来た。ここの瀬がまた強烈。カーブの外側には木の枝が張り出していて、油断すると張り手を食らうのだ。ここでロデオ艇やポリ艇のスクールをやっているらしく、10名近くのカヤッカーが瀬を上ったり下りたりしながら練習していた。それを見ながらしばし休憩。ビールを飲みつつ、「ポリ艇もおもしろそうやなー。」と思う。でも、ワシには同じポイントで繰り返し遊ぶより、川くだりの方が合っている。

カヌーに水が入ってくるときの写真 こんな風に水が入ってくる。でもこれはまだ写真を撮る余裕のある瀬なのだ。
 

・休憩のあと再び出発すると、下からロデオ艇に乗った人が漕ぎあがって来て、「この先の瀬はきついから気を付けてください。」と云ってくれる。「はい、さっきも通りました。ありがとう。」とあいさつをし、その瀬へ。一度通った瀬だが、午前中からは水量が少し減ってきており、微妙に流れが変わっている。川はまさに一時一時表情を変えるのである。これだから川はいつ来てもおもしろい。べっぴんならなおよろしい。…さて、その少し下流では、またもやカヌースクールが行われていた。今度は少し初心者向けの様子で、比較的流れの緩やかな場所で練習している。MOCの「グリーンコース」かな?みんな顔が真剣だけど楽しそう。女性も結構いる。…今度、参加してみようかな?うひうひ。…さて、その下は大岩のある右カーブの瀬。先行していたヨシモと艇が水の落差で見えなくなり、次に見えた時にはひとり足りないではないか。…なんと、ヨシモト夫人が水から顔を出してダッキーにつかまっている。「水浴びー?」と聞いてみたがそうでもないらしい。「知らん間に水に入っていた。」とのことだった。あまりの暑さが彼女をそうさせたのか? さて、その瀬では、上からポールをつるし、スラロームの練習をやっていた。いやー、吉野川ってのは、とても練習熱心な川なのだと知りました。で、公園下の本日最後の瀬。ここでも5〜6人のロデオ・カヤッカーがホールでサーフィンをしたりしている。「すんませーん、通りまーす。」とど真ん中を通過。またもやバウをスパーンと跳ね上げられ、「ひー、参りましたー。」と吉野川さんの実力を認めたのであった。

吉野川の瀬の写真 帰り際、公園から見た吉野川の瀬。ロデオ艇が5〜6艇遊んでいる。水量は午前中よりかなり減っている。


奈良・吉野川マップ
奈良・吉野川マップ


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