「カッコイイバイク乗り」を探して・・・滋賀〜金沢シリーズ


● 今回はどこぞのツーリングに参加してみよう

 と言うことで箱根から戻りまして数日、取材について大いに反省いたしました次第です。
やはり何事も計画性が大切でありまして。

行き当たりばったりではなかなか時間の配分も大変でして、ましてや空振りの日もあるやもしれません。


そこでわたくしもバカではありません、よっしや〜。
こうなったら事前に当たりと言いますか、目星を付けて特定のライダーさんをターゲットにして一緒に走ろうと考えた次第です。
(ライダーさんの気質は走ってみないと分からないから)


 そこで考えたのがインターネットで検索をして、特定のツーリングの開催情報を見つけて参加してみようと考え、こちとら検索で探し出すなんて朝飯前ですすから。

(実はかなり大変な作業でして・・・)


 その努力の結果、見つけましたがな〜。
今週末の土曜日に石川県を中心とするツーリングの予定を発見しました。

ヨッシャ〜、早速にもコンタクトじゃ〜メールで連絡を取り、参加のお願いをいたしましてドキドキもので返信を待っておりましたら・・・。キター!

何々それは光栄ですとの返信がありまして晴れて参加の表明を行ったのでした。


ホッホホホ!これで計画性はバッチグーでございますから、前回のような前フリは抜きで直球勝負の取材が可能となりました。
途中であ〜して、こ〜したは抜きでございます。

今回はいきなりの取材を実施!
しかし土曜日ですから渋滞?ありますよね、きっとあり得ますよ。特にですね〜滋賀県の大津あたりが怪しいから〜早く出発せねば、そのためにも前日は早く寝ることといたしましょう。

(早寝早起きには自信があるぞ)



 待ち合わせ場所は北陸道木之本インター

 ともかく前フリはなしですは、いきなりは失礼かと思いいつつ、前回のコース同様に、中国道〜名神に入りまして。

心配していました大津付近での渋滞も少なく、予定通りに米原ジャンクションから北陸道に入りました。


チョット時間の余裕があるので、手前のサービスエリアで時間調整と休憩を兼ねまして、約束の時間である午前9時ピッタリに木之本インターチェンジに到着したら。

おや?誰も一台もバイクがおりません、え〜!もしかすると約束の時間を間違っていたのかも、と少し焦る心を抑えつつ、周りをキョロキョロとしておりましたら・・・。


 すると年配のご老人が私に近づいてきまして〜。
「あんたバイクを探しとるんじゃろ〜?」の問いに・・・。
「ハイそうなんですよ」と答えましたら。


「ほら、そこの道の向かににコンビニがあるけん、そこに沢山バイクがおるから、そこじゃなかろうかの〜?」

お〜そうなんだ。
叔父さんのあまりにも素早いリアクションと申しますか、まるで私を待っていたかのように話しかけてくれたのでした。


 バイクはそのまま置いて、チョット先の交差点まで行きチラ見、お〜前方斜め向かいのコンビニにバイクの集団を発見、このグループに違いないと確信をいたしまして、バイクに戻ったら・・・。
さっきの叔父さんは居なくなっていました。

えっ?先ほどの親切な叔父さんって一体何だったんでしょうか?
ともかくも約束していた時間にも間に合い、バイクをコンビニに移動させて取りあえずはご挨拶です。


 コンビニ到着いたしましたら、男性7名と女性が1名の合計8人のメンバー構成。

しかし残念と申しますか、今回はZZR1400の赤いバイクにのった女性はお見送りに来ただけ、だから今日のツーリングは、男性7名と私を含めた、合計8名のメンバー構成となりました。



● ライダーの気質は走ってみないと分からない

 一通り簡単な自己紹介を終えまして、早速出発です。
皆さんセルを回してエンジンをかけましたら、パォ〜ンと辺りに響く爆音、ココはサーキットですか?
と思わせる素敵な音が炸裂したのです。(車検〜大丈夫ですか?)


 さあ出発です。
今回私は道が分からないので皆さんの真ん中辺りにポジションをキープして、ドキドキもので発進するしたのでした。


よ〜し、これからテメーらの暑い(熱い)走りを見せてもらって、今回の取材の対象者を決めさせていただこう、ってなもんでございます。

 しかし、あ〜しばらくもクソもなくガソリンスタンド到着〜。
いゃ〜マッタリとまずは燃料補給でしょう。

そうです、そうですよね。そんなんガソリンが入ってなくちゃ走れませんからね。

 さぁ〜てと、燃料も満タンだしこれからが本番ですね。

おっとその前に、一応今回のルートを簡単に紹介しましょう。
地元のライダーさんの選んだ道なので、機会があれば皆さんも走ってみてくださいね。


まず木之本インターから→国道303号線を走ります。
大型バイクさんが得意とする大きめのコーナー、しかし走る人によっては、かなり倒し込みの必要があり、ゆっくり走れば景色はキレイ、速く走ればこの道最高!

今回の目的地は、根尾谷にある淡墨桜(うすずみ桜)
そうです、桜100選にも選ばれている、樹齢1500年以上、それは見事なしだれ桜なのです。

 そこから国道303号線、県道40号線にコースを修正、国道157線に入り、目的地の根尾谷の淡墨桜に到着いたします。


 淡墨桜を見学後、国道418号線、少しだけ県道196号線をまたいで、国道256号線から国道156号線を走り。
県道82号線→県道316号線、道なりに県道321号線から国道156号線に入り、国道304号線へ入ります。

「城端中前」交差点から県道291〜県道355へ、最後の県道27号線を左に曲がりしばらく走ると金沢大学が見えてきます。
その道路沿いのKマートが今回のゴール地点となる予定です。



 さてさて、そんなコースの序盤を走っているのですが、信じられないような曲がり方をしながら、コーナーの先へ先へと消えようとしているのが、ZXの12Rと幸せレモン色のゼファー750、そしてZRX1100の3台です・・・。
この人達は少し(かなり)変です。


そしてもう1台、ホンダのXRV750に乗っている計4名を今回の取材のライダーさんと考えたのでした。


(今回のカッコイイ=速いとライダーさん決定!)

それからね〜一言いいですか?

コラ〜!、コーナー入るときにブレーキ踏めー!浅いんだと思って入っていったら深くて深くて、左ステップがガリガリと擦れましたがな〜。

 そんな楽しい皆さんと、私を入れて心地よい天気の下で、8台のスットコ野郎たちは快走するのでした。

よし、インタビューは休憩の時にするとして〜、取りあえず走っている状態の写真撮影を行って、あとで資料の参考にするとしよう。(どう撮影したかは企業秘密ね)

 その後もスットコ野郎の8台は天気にも恵まれビュンビュンと快走、あっという間に最初の休憩ポイントである、道の駅「星のふる里ふじはし」に到着いたしました。


ソフトクリーム食べたり、お茶飲んで水分補給したり。じゃ〜そろそろ行きましょうか、とバイクに乗ったたとん・・・速い!

もう素敵な自然を満喫する間もなく、走る走るで、あっという間に根尾谷の淡墨桜に到着して名物のしだれ桜を見学です。

駐車料金、バイクは200円しかも近くの駐車場に止めることが出来まして、そんなに歩かなくても良かったのが私のようなオッサンには嬉しい限りです。

そで見ましたよ〜これはまるで・・・。
屋久島の縄文杉のようなゴツイ、風格に圧倒されてしまいました。


(後日談、淡墨桜の写真が全て消えていました、何故?)

 あ〜とても素晴らしく感動いたしました。
今日は人が多すぎるので移動しましょうとなり、取りあえず近くにスタンドで燃料補給ですか?

チョット早いのではと思いつつ、あ〜なるほど〜ZXの12Rの燃費が悪いからですか、それとも3速辺りで全開走行している乗り手のせいなのか?絶対に後者に違いない!


さて、もう少し走った先の、道の駅「ラステンほらど」で食事にしようという話になりまして・・・。
ご期待の通り、スットコ野郎どもはその後も全開で走り続けるのでした。
もうね〜、あっという間ですよ、何もかも。


イメージ的に右見て左見て、前を見たときには到着してますよ。
そりゃ〜風景はキレイですよ。
空も青くて時折サクラなんかもチラチラと目に入って、その地域の民家と言いますか、周りの自然に溶けこんで、本当に心が洗われる風景とはこんな感じなんだなと思いましたよね。

但し、ゆっくりと走ればの話なんでしょうが・・・。


あわわわ〜そんな風景にノンビリと心を奪われていたら、次のコーナーは絶対にオーバーランですよ。

 ハァ〜そんな風景を一瞬に後にして、バオンバオンといいながら道の駅に到着しました。

 それではここで、お昼を食べたあとに取材を実施いたしましょう。
しかしこの季節と申しますか、今日は天気の良い土曜日です。
道の駅「ラステンほらど」でもお客さんで賑わっていたため、なかなか食事にありつけませんでしたが、何とか食事を食べながら、時間の節約をかねて取材を実施出来たので、待っていた時間にしっかり取材が出来ました。


 食事を終えた後、みなさんがマッタリと休憩している間に写真の撮影もお願いいたしまして、今回の対象撮影者は5名、あとの2名さんゴメンなさいね。

先週の箱根ツーリングで4名のライダーさんをゲットしているので重ねて申し訳ないです。
駐車場でバイクを移動してもらい撮影しながら思ったのですが、バイクってクルマに比べたらそれぞれに個性があると言いますか、みんな自分の想いをバイクに反映させているですよね。
特に「兵助さん」のバイク、ご自身とバイクが何となく似ているのは気のせいでしょうか?


そのバイク・・・絶対にZXの12Rに見えませんから。

それから「たぱるさん」のレモン色のバイク北海道が好きだから?
もしかして夕張の「幸福の黄色いハンカチ」をイメージしたのでしょうか?
そんな個性派揃いの集団としばしの休憩後、じゃ〜出発しましょうの一言で道の駅をあとにするのです。

今回はバッチリと写真も撮影したし、天気も良いのですが、この暑さは何とかならないものかと、何て贅沢なことを考えているんだと怒られそうですが、さきほど道路沿いの電光掲示板の温度計を見ましたら「29度」って表示されてましたよ。



 そんな中、皆さんとっても元気に快走〜バビューンと、それが君たちの安全運転なのかと心で思いながら、先行車のラインに乗り山間のコーナーに排気音を残して走り去るのでした。

みんな男性だから?、走る時はドカーンと走る、休憩するときはノンビリと。とってもオンとオフがハッキリした人たちでございます。

でも良いですよね〜。
休憩するときはホゲ〜としてますが、一言「行きましょうか」で、ヘルメットを装着してバイクに乗ったと同時に、ファィトー一発!
の世界に突入いたします。
それから走る走る、どうしてそんなに自分を追い込むくらい走るんですか?、何かお悩みでもあるんですか、ってくらい気合いを入れて走っています。


でも実際どうしてそんなに走るの?

後から聞いた話なんだけど、石川県の金沢って北の城下町で兼六園があって、とっても華やかなイメージがあるんだけど・・・。

実は石川県って年間の降水量がとっても多くて、他県から移り住んできた人なんて、あまりの雨の多さに怒って引っ越しするくらいの雨が降るんですって。
だから晴れたときには思いっきり走りたい気持ちになって、良いお天気を満喫したいんですって。
そうなんだ〜知らなかったな〜、その地域ではそれなりの問題ってあるんだよね。



● 目指せ金沢へ夕日とともに

さぁこのあとは一路、金沢に向かって交通ルールを守りながら爆走しましょう。(心なしかペースが速いぞ)

みなさんとは今日初めて一緒に走り出しのに。

昨日まではまったく知らなかった人たちなのに。
なんだか昔から、ずっと一緒に走ってきたような雰囲気を感じてしまいます。
チョット速度が速いのはご愛敬ってなもんですが、皆さん自分なりの安全マージンを知っているようで、後ろから見ていても不安な気持ちがありません。 

むしろ気持ちよさそうに走っているな〜と感心することしきりでありまして、何だかな〜このままずっと、この仲間たちといつまでも走り続けたいな〜。

今日に限ってはもっと日が沈まないでほしいと願うのでした。


夕日が沈むが早いのか、私たちが最終の目的地にたどり着くのが早いのか、アッハハハハ、バイクか・・・。


バイクっていいよね〜、ヘルメットの中でそう思いながら、傾く夕日を見つめひたすら走り続けるのでした。


● 激走ツーリング夜の部

 金沢市内に入ったとたんに渋滞に巻き込まれてしまったものの、今夜のお宿、金沢市内の片町にあるホテルに全員で到着〜。
わざわざホテルまでエスコートしていただき皆さんどうも有り難うございます。


そんな事もありまして、今夜は数名の北陸ライダーさんの方たちが夜も一杯やりましょう、ってことで居酒屋さんに予約を入れているらしく。

兵助さんやラクさん、たーちゃんは「いゃ〜ヨッシーさんゴメンなさいね〜僕たちは明日も仕事だからここでお別れです。
また一緒に走りましょう」と、それぞれに別れを惜しむ握手の後、走り去るテールランプに見とれながら、お見送りをいたしました。

 それからホテルにチェックインしてお風呂に入る間もなく、片町にある「ヒロサカ亭」に向かうのでした。

今夜の飲み会のメンバーは私を含めて5人体制、今日ご一緒した「たぱるさん」・「AT」さん。
取材は出来ませんでしたが通称「カブさん」そして飛び入りの1名さんと私の5名での飲み会です。


ATさんがホテルまでお出迎え、2人で歩いて行きましたその距離は歩いて間もなく到着いたしまして。

 おや〜?
何だか聞いたような名前だな〜と思っていましたら・・・。
お〜!、ここのお店って、去年の7月に北海道に行くために、敦賀からフェリーの乗船前休憩のときに賤ヶ岳SAでお会いした方のお店でした。


 そんなこんなで、みんなで乾杯〜をしながら今日走ったコースの話やら、それぞれのバイクの話やら。

アッハハハハ、究極の話は「たぱるさん」が19歳の時に北海道にバイクで旅行をしたときの話でしたかね。

一応、RIDEへ別紙で出しましょうか。
採用されるかどうかは別として、その話は聞いた人にとって、素晴らしく感動させる内容でした。
人生で一番素晴らしいことって何ですか?それは若いってことだとつくづく思いました。


今回のツーリングでは、素晴らしい走りと、またまた素晴らしいライダーさんに出会えたことに感謝です。

みんなでビールを飲んでお刺身食べて、ガッハハハハと色々な話題が出るたびに大笑いしています。


 ところで「たぱるさん」どうしてバイク黄色いの?

宴会部屋が一瞬静寂につつまれた後、たぱるさんはニッコリとして少しずつ話し始めました。


● たぱるさん青春の北海道

 時は1990年7月15日19歳の夏。
憧れの北海道に向かうため、敦賀港から小樽行きのフェリーに乗船して、初めてのフェリーに混迷しつつ、荷物を置いて船内をウロウロしていたら・・・。
休憩所で一人のカワイイ女の子がタバコを吸っていました。


僕は未成年でタバコも吸わないし、だかってことじゃないけどタバコを吸う女の子って嫌いだし。

それが、その子との最初の出会いで、イメージの悪さだけが心に残っていたのでした。しかし可愛いぞ。

 当時のフェリーは北海道に到着するまで30時間もかかっていた時であり、やっと小樽に到着したときは感動しきりで、バイクとともに北海道に初上陸、これからの不安と北海道に立っている自分に感動しながらアクセルを回して北の大地を疾走するのでした。

 北海道を走り始めてから3日目のこと、あこがれであった礼文島にある宿「星観荘」にたどり着きました。

礼文島、あまりにも素晴らしい景色が気に入ってしまいそれらとともに一泊目で歓迎の儀式を受けて、2泊目の宿泊。
おや?もしかして・・・。
あの時のフェリーでタバコを吸っていたカワイイ女の子がやってきました。


何だかしらないけど心臓がドキドキ、ついつい話しかける勇気を絞り出して、その子に声をかけました。
「ねぇ、もしかしたら7月15日のフェリーに乗ってたでしょ?」の問いに・・・。
「え〜どうして知ってるの〜!」とビックリした後、色々な話をすることができました。


 それから漁船でトド島一泊ツアーや、先に帰ってしまうライダーのお見送りでフェリー埠頭へ、若さと感動で海に飛び込み、あわやスクリューに巻き込まれそうになったけど、それも一つの青春の思い出でした。

 それから何となくその女の子と北海道を旅行することになって、稚内名物のウニ丼を一緒に食べたり・・・。

「ねえ、たぱる君、今日はどこに泊まろうか?」

えっ、そんな問いかけにドキドキしながら決めてないよと答えたら、そしたらこの近くに温泉に入ったら宿泊は無料になる宿があるから一緒に行こうよ。

そんなのイヤですって、言う理由なんてありません。

こうして意味もなくドキドキしながら二人で北海道の旅をバイクで走るのでした。

 二人で色々な場所の風景を楽しんでいましたが、時間は無情に過ぎて行きます。

「ねぇ、あたし仕事もあるから明日には小樽から大阪に帰えんなくちゃならないよ、なんかさー楽しかったよね」
その問いかけに返す言葉もみつからず、翌日には小樽港でその子を見送っている僕の姿がありました。


「あのね〜、良かったらこんど大阪においでよ〜」

出航するフェリーの上から手を振りながら大声で言ってくれました。


「モチロン行くよ〜、絶対に行くから〜」手を振りながら大粒の涙が、いつまでもいつまでも流れていました。

 私はビールをゴクゴクと飲み終えて一言。

たぱるさん、何それ?チューは無かったの?チューは?


 そんなの無かったですよ〜僕は19歳ですよ、あるはずがないじゃないですか〜。(一同冷めた目で凝視)

そこまで言うからには〜続きってあるんですよね〜?

一同、静かにたぱるさんを鬼の形相でにらむのでした。


 そのあと僕は夕張のキャンプ場に移動して、その小樽からフェリーを見送って数日後なんだけど。
当時って携帯電話なんてないし、だから10円玉を山盛り両替してその女の子が乗ったフェリーの時刻と、敦賀から大阪に帰るまでの距離と時間を計算したんですよ。


それで大体というか、そろそろ家に到着したころかなと思って〜、10円玉をキャンプ場のピンク電話に放り込んで、ドキドキしながら電話をかけたんですよ。

プルルルルのコール音が一回・二回・・・七回・八回・・・。

「カチャ、はいもしもし」と電話が通じて。
あの、あの、その〜たぱるです。


「え〜、たぱる君どうして?、ねえどうして、スゴイよ!」
「いま帰って電話が鳴ってたから急いでとったんだよ」

「え〜どうして〜」電話の向こうの女の子は泣いていました。
嬉しさと驚きと、そして予想もしなかった電話の声に涙を流してくれました。


「たぱろ君、どうしてるの?まだ北海道なの?」
うん、まだ北海道だよ。これから釧路に行く予定だよ。
「うん良いよねスゴイよね」
その後10円玉が尽きるまでいつまでも話し続けていました。

 ココは居酒屋さんの店内

たぱるさんよ〜それって、ハイお終いってことないよね。

チューあったんでしょ?、チュー?

 いや本当に何も無かったんですってば〜本当ですって。


ほ〜ふむふむ、たぱるさん、このRIDEの雑誌は奥さんも見てるんじゃないの?そう見てるでしょ?

一同・・・ムフ、むは、ガッハハハハ!

これ以上は個人のプライベートのお話として聞きませんでしたが、笑ったってことでご想像ください。


 ところでたぱるさん、釧路はどうだったの?

 うん、あの夕張から釧路に移動して・・・。
釧路駅にある貨車を改造した宿でゆっくりしていたら、次から次へライダーがやって来て、結局は入りきれないライダーさんもいたから、僕がみんなに声をかけて。

「スイマセーン、もし良かったらテントを持っている人は、外にテントを張りませんか〜」

その問いかけにテントを持っているライダーは貨車の外に出てテントの設営、その光景は見事なもので貨車の前にズラ〜っとテントが並んでしまいました。

そんなこともあって見ず知らずのライダー同士にもかかわらず大盛り上がりで、ビールを飲んだり騒いだりして最後にはみんなでお尻を出して記念撮影。

いまでもあの時の連帯感というか、楽しい一時が忘れられない19歳の思い出だったな〜。

 こうしてかたくなにチューの話は出ないまま、金沢の夜は過ぎゆくのでした。さてと、そろそろお店も閉店の時間です。
時計を見たら4時間も飲んでいたことに一同ビックリしてお別れの挨拶です。


本当に今回のツーリング有り難うございました。

もしかすると皆さんとは「一期一会」になってしまうかもしれませんが、本当に、本当に楽しい一時を過ごすことが出来たこと、心から感謝しています。


● 西へ向かって帰りましょう


 翌日の天気も快晴、今日は日曜日なので心なしかクルマの走っている台数も多く感じるなか、北陸自動車道に入り、このまま帰るのは勿体ないと思って、東海北陸道経由で帰ることにしました。

 突然ですが実は、僕は・・・平滑筋肉腫(ガンの一種)なる病気なんです。
今までに二回の手術を克服して、一回目は左腕の筋肉の切除、お医者さんにはバイクは乗れないと言われましたが乗れていることに感謝!二回目の手術は左肺の切除、それでもいま、大好きなバイクに乗っています。

いまは左の脇腹と胸の中央に転移しているけれど、これ以上の手術は諦めて、いまはバイクと共にこれから先も走り続けます。
いつまで?それは自分でも解らないけど、この青い空の下で、いつまでもいつまでも走り続けて。

皆さんと、またどこかでお逢いできることがあったら、その時は楽しく激しく走りたいと願っています

 さてと、これで私の任命された「群発放浪記」の取材は終了いたしました。
さてさて、今年は九州の知覧にも行って、8月に入ったら北海道でしょうか。

きっと、どこかで会えますよね。
それまでお互いに事故には気をつけて、楽しいツーリングを楽しみましょう。どうも有り難うございました、ガッハハハハ。


byヨッシーでした