おうちでシネマ・・・「茶の味」

ここしばらくビデオレンタルってのをしていなかったんですが、
先日ひさしぶりに借りてきました。
見たいものはいろいろあったんですが、とりあえず1本だけ・・・と目に止まったのが「茶の味」。 以前どこかの映画評で「面白い」と書いていたような、そんな記憶だけで選びました。

映画の舞台は関東の片田舎。催眠治療士のお父さん、専業主婦で元アニメーターのお母さん、かなり独特のおじいちゃん、多感な中学生の長男に悩める小学生の長女、
という家族におじさんたちをはじめいろんな人々が絡み合って、よくあるような日常と、あんまりないぜ!っていう非日常を織り交ぜて淡々とストーリーは進んでいきます。 美しい田舎の風景から始まる冒頭から、いきなり長男の頭を電車が通過したり、山のように巨大な長女が現れたり、
「な、なんじゃあ?」って感じでびっくりしました。
ストーリーの軸に「巨大な自分の存在に日々困惑する長女」というのがあって、
おじさんの体験談から、逆上がりを成功させることにより幻覚から開放されると信じて密かに練習をしています。
それをこっそり見てしまうおじいさん。

このストーリーのキーマンは我修院達也演じるおじいさんだと思います。
役者から分かるようにかなり”濃い”です。
そのじいさんと一緒に生活する”普通”の家族、それだけでなんか可笑しくありません?
可笑しいと言えば、エピソードの中にはストレートに笑わせてくれるものもいくつかあります。(例えば、う○こ頭の幽霊とか。−−;)
恋する中学生の普通さ加減と、幻覚に付きまとわれる小学生の非現実性。それぞれがうまく混ぜあってひとつのストーリーになるには、こういう家族が必要だったんでしょうね。
そして、最後は・・・。

ある意味予想通りの結果にはなるわけですが、それがああいう映像になるとは誰が想像したでしょう?
ええーーー?って思ったのは私だけではないのでは。

全編漂うほのぼのムードというか、映像の清々しさというか、後味もすっきり爽やかな映画ではありますが、 見終わってそのストーリーを思い起こせば、あまりの奇怪さに狐につままれたような気持ちにもなります。
なんだか訳わかんない度は「マルコビッチの穴」を思い出しましたよ。
全然別の種類の映画ではあるのですが、「マルコビッチの穴」を面白く見られた人なら、
「茶の味」も楽しめるんじゃないでしょうか。
2005.07.29