< 技術革新に追いつかない心 >

社会や人間の心の混乱の原因は昔から言われるように、
「爆発的な技術進歩に人間の心の発達が追いついていない」の一言につきると思います。

 技術の発達とは反対に、人間の心はどんどん退化しているようにさえ見えます。

 いつの世も、政治家、企業家、技術者は、目先の利益や成果、地位や名誉に目がくらみ、 自分のしていることが人間社会に与える影響を大きな視野で見ることができなくなるようです。

 過去の歴史を振り返って見ると、人間が作り出したものには必ず副作用が伴い、プラス側のみに働いたというものは皆無のような気がします。

 今はやりの遺伝子操作や臓器移植。「人類のため」という美辞麗句で飾られていても、
根底には企業や科学者の「名誉と金」が見え隠れしていると思うのは私だけでしょうか。

 人類愛とか人道的とかいう大義名分のもと、天から与えられた体を操作する。
 裏では金に物を言わせて、開発途上国から臓器を買いまくる。
 脳死法案可決で、膨大な医療費を湯水のように使う臓器移植法も成立しました。

 巷には職がなく、空き缶やダンボールを集めて稼いだ1日数百円で食いつないでいるホームレスが満ち溢れており、 また1日に食パン1枚あれば命の助かる子供が世界に何百万人・何千万人といるというのに….

 人の命は地球より重い、と言うなら、全ての人間皆平等に扱うべきです。
 技術が進んでできるのだったら、また金さえあれば、何でもありとは余りにもむなしいと思われませんか?

 先日あるテレビ番組のアフリカを題材にしたドラマで、ライオンがしまうまを狙っているシーンがあり、女の子が「しまうまを助けて!」と叫んでいました。
 人間にしまうまを助けることはできるかも知れません。でもそうしたらライオンの赤ちゃんは飢え死にするでしょう。

 人生は長く生きれば良し、ではなく、如何に生きるか(かつ自分の力で)だと思います。

 最近の教育もおかしいですね。知識優先、競争優先の教育が若者の心の発達を阻害していると思えてなりません。

 将来人類にどのようなつけが回されるのか心配です。最近頻繁におこるいじめや異常な犯罪も、この一端かも知れません。