今回は人間の老化のメカニズムについてお話ししましょう。
人生は「生老病死」といわれます。「生」はいいのですが、「老病死」はいずれをとっても嫌ですね。
でも人間一度生まれたら必ず死ぬ。「老病死」は避けられません。
人間は生きるために色々のことをします。
生きるための営みの大半は、「死」から逃れるための行動と言ってもおかしくない程です。
死の前提となる老化、食べるものは大して変わらないのに、幼児と老人では天と地の差、
これはいかなるメカニズムによるものでしょうか。
実はこれも自己免疫が深く関与しているのです。
自己免疫は非自己(細菌やウイルス、自分以外の異質タンパク)に対して非常に排他的で、これらが進入すれば直ちに排除します。
また自己の細胞であっても、ガンや異形細胞など異常な細胞についても同様に排除するように働きます。
人間の体は約60兆個の細胞でできており、毎日3000億個が入れ替わろと言われます。
7ケ月弱で全ての細胞が新しく生まれ変わります。
(脳みそだけは別で、一般に再生しないと言われているが、どうなんでしょうか?)
環境ホルモンや紫外線、大気汚染や発ガン物質等の影響で、誰にでも毎日ガンや異形細胞が生まれています。
しかし、自己免疫がしっかりしていれば、これらの悪い細胞は即座に排除されますので問題ありませんが、
年齢が増すにつれ異形細胞の発生比率も高まり、かつ免疫力も低下するため、
これらの細胞が次々と蓄積されていくことになります。
歳ををとるとシミ、ソバカス、イボ、老人斑などが増えていきますね。表面だけでなく体の内部にも。これが老化現象です。
自己免疫の中心となるのは脾臓であり、脾臓にコントロールされた胸腺という組織が老化に大いに関係していると言われています。
胸腺はリンパ球を教育し、免疫を司るNK細胞などのTリンパ球を作ってくれます。胸腺は20才頃最大になり、
それ以降年を経るに従って縮小し、50才頃には殆ど脂肪のかたまりに退化してしまうそうです。
確かにこの頃から急激に老化が進行しますね。
老化は避けられないことだとしても、自己免疫力を高めるような生活を送ることで、老化を遅らせることはできます。
正しい食事、規則正しい生活、プラス思考、脾臓を中心とした手当て、これこそが不老長寿の薬です。
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