忘れの効用

年をとると嫌ですね〜 物忘れがひどくて....
 でも忘れると言うのは、効用も多いのですよ。
 「この悔しさや悲しみはいつまでも忘れないようにしよう」などとよく言われますが、 嬉しかったことや楽しかったことは憶えていてよいとしても、嫌なことは早く忘れるに越したことはありません。 過ぎ去ったことを気に病んで、いつまでもくよくよしていても何も解決しません。 また嫌なことがいつも頭にあると、自律神経失調で体調も悪く、また免疫力も低下するなど、ろくなことはありません。
 酒や麻薬、何かに没頭するなどは、忘れるための有効な手段になります。
 ほろ酔い気分のときの何ともいえない気持ちよさは、皆さん経験されていますね。これはどのような状態だと思われますか?
 実は何も考えず(忘れて)、ただその場の雰囲気に浸っている状態なのです。 座禅や瞑想は、何も考えない無我の境地に導き、悟りを開くための手法ですが、 ほろ酔い気分の状態は、悟りの境地、涅槃の境地に近いものがあります。
 どんなに辛く、また嫌なことがあっても、それを忘れている瞬間は幸せな気分になれます。 嫌なことを忘れるために酒や薬物に溺れる、というのも分かる気がしますね。でも酒や薬物の効き目は一時的で、 また副作用も怖い、酒や薬物に頼らないで忘れることができれば....
 心の持ち方やものの考え方でなんとかなる場合もあるのですが、 この辺りについては、また別の機会にお話しましょう。