自律神経失調・更年期障害・婦人病

「自律神経失調症」とは変な病気ですね。
 頭が重たい、めまいや吐き気がする、気持ちがふさぎ体がだるい、夜不安で眠れない、 手足が冷える、動悸がする等、自覚症状はあっても検査では異常がない。
 結局原因が分からないから「自律神経失調症」などと、症状を病名にして患者を納得させている。

 人の神経は、大きく「体性神経」と「自律神経」に分かれます。
 「体性神経」というのは、自らの意志で体を動かすための神経であり、知覚神経や運動神経等があります。
 一方「自律神経」は、自分の意志とは無関係に各臓器等の必要に応じて働くもので、 食べものを食べた後、胃や腸がひとりでに動きだしたり、寒いときに鳥肌が立つ、自然の呼吸などがこれに当たり、 人が生命を維持するために大切な働きをするものです。

 自律神経(自立神経)は、さらに「交感神経」と「副交感神経」という2つに分けられます。
 「交感神経」は、緊張した時に活発に働く神経で、体をエネルギー消耗状態にします。 また「副交感神経」は休息・体力を回復する時に働く神経でエネルギーを保存・回復させます。
 これら2つの自律神経が絶妙なバランスで働くことで、生命活動が維持されています。
 交感神経は昼間に働き、副交感神経は夜になると休息のために働き始めるのが正常ですが、 不規則な生活習慣等により2つの神経の切り替えがうまくいかなくなる。これが自律神経失調症です。

 ホルモン分泌の不調による更年期障害や婦人病の一部も、大抵が自律神経失調症と同じような 症状を示します。
 以上は現代医学における一般論ですが、結局のところ原因も治療法も不明というのが結論のようです。

 私たちは「自律神経失調症」の原因について、生活リズムの乱れは当然として、 それ以外に以下のことが原因になっていると考えています。
 @ 自律神経をコントロールする甲状腺と、さらにその甲状腺をコントロールする脾臓の不調
 A 副交感神経ホルモンや性ホルモンを分泌する副腎の不調
 副腎は、腎臓の上にかぶさるようにあるそら豆状の器官で、自律神経の刺激を受けて微妙なタイミングで ステロイド系ホルモンを分泌します。これが正常に行われないと、自律神経失調や月経不順等の婦人病を ひき起こすことになります。
 また副腎は、腎臓に大きく依存しており、腎臓の不調は副腎の不調にもつながります。
<対策>
 脾臓と腎臓を中心とした基本臓器の手当て、 あわせて、甲状腺の温熱手当ても有効です。
 なお、腎臓(=副腎)の不調は、足腰の冷えと足の血液循環(帰路循環)不良が主な原因ですから、 日頃から、足腰を冷やさないこと、よく歩くこと、棒踏みや半身浴などの 健康法を実践することが重要です。