胆汁の重要な働き

現代医学では胆汁について、「脂肪の消化を助ける消化液のひとつ」程度の認識しかなく、 胆石などで簡単に胆嚢を摘出したりしていますが、家庭医学協会では、 胆汁の働きを非常に重要視しています。

胆汁は、古くなり(脾臓で)破壊された赤血球を材料として肝臓で作られます。
 胆汁は非常に強いアルカリ性を有し、これに触れるとどんな細菌もウイルスも生きられないと言われます。 肝臓で作られた胆汁は10倍程に濃縮されて胆嚢に蓄えられ、必要に応じて微妙なタイミングで十二指腸に分泌され、 脂肪の消化を助けます。
 その後、一部が脂肪とともに小腸で吸収され、残りが便として排泄されます。便の黄色は胆汁の色なのです。 小腸で吸収された胆汁は脂肪とともにリンパ液に乗って体を循環します。

胆汁には、細菌やウイルスの殺菌機能の他に細胞を活性化する働きもあります。 また胆汁とともにリンパ液に乗って流れる脂肪は、関節の潤滑油として働きます。

以上のことから、胆汁は免疫系の最も重要な要素であり、胆汁の循環不正は、細菌やウイルス感染、細胞の老化、 黄疸、関節障害、消化不良など、多くの病気の原因となっています。
 盲腸やちょっとした炎症程度は、肝臓を暖め胆汁の分泌を促してやるだけで、殆ど治ってしまいます。

胆汁はリンパ液に乗って体を循環することから、リンパ液の循環をコントロールする脾臓の重要性 もご理解頂けると思います。