海を思うとき

海を思うとき
ぼくは
心そのものになる
そうして
肉体を捨てたとき
ぼくの心には
青い
新鮮なかなしみが
満ちてくるのだ
それが
海だ

海を思うとき
それはいつだって
凪いでいる
そして
その砂浜には
ぼくの
泳げないトルソ

そうして
海だけを
思っているとき
ぼくのこころに
おもいっきり
水平線が
連結してくる

by Kenichi Asano

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