長生きしたい人へ

 身近なところで、葬儀が二つ続いた。それも、私より若い人だった。それで、長生きしたい人へ、私の実行している天風式心掛け+α健康法のようなものを書き加える必要を感じたので、書いてみることにする。

 
天風先生は、「俺の言うとおりにしたら、90才までは生きられる」と言っておられた。そして、不摂生で病気がちな周辺の人達を言葉通り長寿に導かれた実績がおありである。先生の長寿に関するお考えの中でも、食事に関する教えが強調されているので、食事に関することから、取り上げることにする。先生の食事に関する基本的考え方として
「日本人の体は、「果実食」に適している」
「食べ過ぎないこと、腹八分目で、良く噛むこと」
「野菜・魚を中心にして、肉食は控える」
「(六十を過ぎたら)酒タバコも控える」
それと「水分をタップリ取ること」加筆(天風先生も拘って夏の行修会などで強調されているが、私もそれを痛感する)
ということであった。

 私自身、先生の教えを厳密に守っているわけではないが、還暦を過ぎて、油こっいものは胃にもたれるので、自然とあっさりした和食が主になってきた。そして食べ過ぎは、胃の負担が過重になり、いつまでも腹が重苦しくてすっきりしないので、食べ過ぎるとよくないと素直に思えるようになってきた。そのお陰で「この前の食事は食べ過ぎたなぁ」と反省するようになってきた。そして、消化を助けることと、味わうためにも「良く噛む」ことが大切だと思うようになってきた。さらにもう一つ、3年前の正月に軽い脳のトラブルを感じて、お酒を減らすようにした。

 このように考えると、正味、天風先生の食事のアドバイスを実行してきていたことになる。特に実感するのは、
お酒を減らすことの大切さである。脳に異常を感じた時、原因はお酒だと直感した。年末から正月にかけて、日に2〜3合位は飲んでいただろうか。これでも私には多いようだった。なるべくなら一合程度が良いようだ。そして休肝日を作ることも大切なようだ。今は、時々2〜3合位には達するが、多くの日の目標としては、一合程度にしている。この酒を減らす対策で「頭がうんとスッキリする」ことを知ったのであった。アルコールは、脳に確実に反応して、脳の機能低下を引き起こす。酒を飲めば、ほぼ確実に「酔っぱらう」のは、そのためだということをこの年でやっとハッキリと学んだのである。(私は、若い時からタバコは吸わない)。
 また退職して体を動かす機会が減るので、昼食に注意するようにしている。この後昼食は、なるべく「時々の果実食をまじえ、小食または昼飯抜き」で過ごしたいなぁと思っている。
天風先生は、二食主義を奨めておられたのである。それで、「二日に一遍、昼抜きの2.5食で行くのが面白い」と思っている。昼を軽く食べると、有難いことに「眠くならないし、頭が冴えたまま」になるので、まことにありがたい。退職後、運動不足気味になるので、食事を減らすのは、肥えすぎない点からも良いことだと思われる。

 運動に関しては、
朝起きたら、その日の状態に合わして柔軟体操をする。体操をすると脳も体も自動的に目を覚ますので、意識が明瞭になる。それが大事である。明瞭な意識で行動すると失敗が少なくなるし、気力が速く充実してくるので、起きがけの柔軟体操は、是非ぜひお勧めである。体操に苦手意識が強い私は、天風会に入らなかったら、こんな体操をしていないと思う。たぶんこれは、入会した成果で、現在ではまことにありがたい習慣のように思っている。そして天風哲学での身体的トレーニングの鉄則は「訓練的積極化」というもので、トレーニングを「ほんの徐々に強めにして行く」ことが良いと教えられている。それ故、今から体操を始めようと思われる方は、毎日欠かさずしないとと強い決意をする必要はない。また、その日の体調に合わせて、実行して行くのがよいとされている。腰が痛めば休み、風邪を引けば休むのが良いのである。特に、無理が利く年を過ぎたら、「前向きに、積極的に」と考え過ぎると、とんだ失敗を引き起こすので「安全重視」で対応するのが肝要だと言える。大きなケガや骨折でもすると「幸せな生活」が一挙に吹っ飛ぶから、夢々自分を過信することがないようにすることが肝要だ。

 最後になったが、
老齢になってくると、健康な生活のために、第一に大事なものは、「精神力」だというのは、誰もが言っておられるところで、その通りだと思われる。即ち、長生きの一番大事な要素は、「前向きな精神力を如何に維持していくか」ということになる。そのためには、無用の弱気の虫を寄せ付けないように、即ち「精神的ストレスのコントロール」をどうするかが問題なのである。だとすれば、ストレスを上手に捌いて心の負担にしないことが大事なのである。それは解るが、ではどう捌くか?である。食事や体操は、本人がその気になりさえすれば、コントロール出来るわけだが、精神的ストレスは、「天風哲学を知らない一般人には対処法が無いにも等しいから」非常に困難な問題になる。そして、ここから変な論の運び方になるが、本当だから仕方がない。この「ストレスの捌き方を教えたのが、天風哲学だ」と言い得るのである。我田引水的な印象を望むものではないのだが、その対処法こそが天風哲学で説かれている内容であり、“長生きのためには”、ぜひ天風哲学を学び「天風哲学を確実に実行されるのが良い」という結論になってしまうのである。
 それが正解なのだが、このホームページとしては別の答えをしてみよう。それは
【天風先生にご縁を得れば、まず感謝を覚え、次には「心を積極化」して、その結果として「安心生活」に達し、その先は世のため人のためにに働かせていただく霊性生活を目指す】ことであると。長生きしたいならば、とりわけ「何事にも感謝するように心掛け」、さらには不安の種を自ら作らないために「やましいことをしない(正義の実行)」という心掛けで暮らすことが重要になる。そして、「魂磨き」のために、世のため人のためにに感謝の気持ちでボランティアをすることがお勧めである。

 このような心がけが、最も心を安定させて、長生きに寄与するものと思われる。年に似合わない変な欲を持たずに、「欲望を枯らして」ひょうひょうとした気持ちで、感謝して自己の生活に、自己の人生に満足して生きていくこと(霊性生活)が、長寿の秘訣ではないだろうか。

    
トップページに戻る