Spector NS-6 (#G0078) 1987年製

そもそもSpectorはベース専業メーカーとして70年代に立ち上げられた。当初はSB-1というモデルを作成していたが、ネッド・スタインバーガーによりデザインされたNSシリーズを発表。このモデルが人気を博したことで80年代に入りSpectorは一流ブランドの仲間入りを果たした。80年代の後半になると事業拡大を目的にKRAMER社の傘下となる。この時期に発表されたのがこのNS-6というギターであり、1987年〜1989年の3年間で僅か150本という生産数である。NSシリーズ同様のボディーデザインおよびスルーネックを採用しながら、当時流行のフロイドローズを搭載したりと実用性充分な仕様である。ボディーサイズはギター用に多少のデフォルメがなされているものと考えていたが、ベースと全くの同寸。ま、NS-2のデザイン自体がベースとしてはコンパクトなデザインなので、そのままギターのネックを取り付けてもまったく違和感がないわけである。重量は約3.6kgと標準的。

本機はリアピックアップにEMG 85を搭載したアクティブ仕様で、シャキッとしたサウンドは好みのモノである。フロントピックアップがパッシブなので、これはEMG SAに交換してバランスを取ろうと企てている。

もともとレッド系のフィニッシュがなされていたのだが、カラーを剥がされてナチュラルにリフィニッシュされている。とはいうものの、極上のAAAキルテッドメイプルにはこの方が似合っていると思う。

到着後に弦の交換及び調整を行ったのだが、トレモロのスプリングを強化バネの2本掛けに交換、交換されていたストラップピンを旧タイプのJim Dunlop製へと交換した。バネには共鳴防止のために熱収縮チューブを被せている。

実はこのギターを手に入れるまでには数年を要した。なにしろ世界中を探しても150本しかない機種だからである。直前にはBlackHawkという機種を落札し損ねていたわけだが、もしも落札していたらこのNS-6は諦めていたかもしれない。また、Paul Reed Smithにも興味があって真剣に購入を考えていただけに、タイミングがずれていたら手に入れることはなかったと思う。非常に運に恵まれたと喜んでいる。


ピックアップ交換及び配線の変更

なんとなく手に入れたレスポールのコピーモデルの方が好みの音が出ることに気付いたので、近頃音の閉塞感に悩んでいたEMG81を交換することにした。

SpectorといえばEMGは定番ではあるが、拘る余り好みの音が出ないというのは楽器として本末転倒に当たると考えた。

そもそも目指していたのは80年代のLAの音なのでEMGは間違いではなかったのだが、別のベクトルとしてパッシブ路線もアリかなと。。。

そこであれこれ考えるのも面倒だしピックアップ選定の闇のスパイラルに陥ると、金銭的にも厳しいし何が正解かが全く見えてこないような気がしたのでアンプとの相性も考えて一発決め打ちでSedmour Duncan APH-2(Slashモデル)を試すことにした。試すと言ってもプロでもないのでもちろん普通に購入して付け替えるだけなのだが(笑)。

結論としてはEMGと比べると圧倒的に好みの音が出るようになった。

ただしフロントはEMGのままなのでアクティブとパッシブの混在回路になってしまうことから、APH-2の方にPA-2(ノンブースト設定)を挟むことで回路的にはアクティブではある。

EMGと比較して劣る点といえばノイズの問題程度。ただしこれはキャビティー内に銅箔を貼ることでかなり改善出来た。

ポット関係も新しくソルダーレスのものに交換して配線関係を刷新した。

2019.04更新
APH-2でも問題なかったのだがフロイドローズの弦間とポールピースがずれていることが気になったので、 同じアルニコ2を使ったTB-APH1に換装した。聴感上の音色はほぼ変わることなく精神衛生上の健康を確保出来た(笑)。

 

遊び用ではあるがけっこう本気のラインナップではあるエフェクトボード。これはギター専用。

TC electtonic Polytune mini

Digitech Drop

MXR ZakkWylde Wah

Booster

ISP Decimator II