スペシャル企画 OD-1を作ろう!
![]() |
ヴィンテージベース、ヴィンテージアンプと揃うと最近はヴィンテージエフェクターがマイブームになってきました。しかしエフェクターといってもバカに出来ないくらい高値が付いています(BOSSさん復刻版でもいいから出して〜!!)。ということで造ってしまうというのが今回の企画です(笑)。 |
本格的ぱちもんOverDrive作成プロジェクト開始
今まの「TubeDriver」と「OverDrive」は海外のサイトにあった出来合いのサーキットパターンとレイアウトをその通りに作りました。それで色々WEBを詮索しているうちにOD-1の回路図だけは入手することが出来ました。定数を変更してOD-1風の物も作りましたが、本物のOD-1が欲しいという気持ちが次第に大きくなってきました。。最近はOD-1に憧れつつも、購入して音出しするという勇気が湧かないくらい高価な物になってしまっています(TubeScreamerほどではないですが、、、)。
そこでこれを元に作ってしまおうという意欲が湧いてきました。
以下、構想2週間、設計(解析)2週間、組み立て5日間。
2002.06.20
まず、雑誌のOD-1の写真を元に基盤のパターンを起こす作業に取り掛かりました。大きな写真がないので鮮明とは言えないものの、ある程度のパターンは掴み、これを下絵にしてAdobe
Illustratorでパターンをトレースしながら起こしていきました。また、判りづらい部分は回路図と照合しながらパターンの修正を行い、この作業に約1週間費やしました。
今回は10センチ×15センチの感光基盤に2枚のパターンを配置しました。また、右下にはロゴマークを入れてみました(笑)。
そのまま写真を掲載するとBOSS社に怒られそうなのでモザイク処理をしています(笑)。
2002.06.27
次に、入り組んだパターンと回路図を解析しながら半導体を配置する場所を探していきます。写真を元におよその見当を付けておいて照合しながら決定していきます。今回のOD-1クローン1号機は純粋にOD-1のクローンを作るのを目的としたため、定数はそのままでいくことにします。
2002.07.01
完成と同時に今度はパーツリストを作り、大阪日本橋に調達に出掛けました。ダイオードやトランジスタはパーツショップの「デジット」でベテランの店員さん2名と相談しながら互換部品を調達する予定でしたが、ほぼそのままの部品が調達できました。(お世話になります>デジット様)
最上段左より、DCジャック、P006スナップ、ステレオジャック、モノラルジャック、ツェナーダイオード、ダイオード。
二段目左より、カーボン抵抗29本、コンデンサー、トランジスタ。
三段目左より、コンデンサー、トランジスタ、電解コンデンサー、ダイオード。
最下段左より、ポット、LED、オペアンプ、フットスイッチ。
フットスイッチに関しては今までの物はTrue Bypass方式だったのでオルターネイトの物でしたが、今回はOD-1フルコピーの電子スイッチなのでモーメンタリー式です。
2002.07.02
基板作成に入りました。パターンを印刷し、トレーシングペーパーにコピーしました。そしてガラス戸のロッカーの窓を外してそこにトレーシングを張り付け、ポジ感光基板を密着させて露光します。薄曇りなので約3分間露光しました。現像液に約1分間浸した後、水洗いです。ここで注意は表面を擦ってしまうとレジスト膜が取れてしまうので洗い流すだけにします。
帰宅後、エッチングに約25分、エッチング液も2回目の使用なので少々時間がかかりました。
そして、ピンバイスで穴開けですが、今回は部品点数も多いので結構時間がかかりました。
最終は表面にフラックスを塗って本日の作業終了です。
2002.07.03
本日より部品の組み込みを始めます。儀式としてまずICソケットから半田付けします(笑)。そして、次々と半導体を組み込みますが0.047μFのコンデンサーと100Ωの抵抗を買い間違えて本日はここまで(笑)。
2002.07.04
帰宅後、昨日買い間違えたコンデンサーと抵抗を会社に忘れてきたことに気が付き、部品の箱をごそごそしていると0.047μFと100Ωが出てきました(笑)!とりあえず音を出したかったのでそれらを所定の位置に取り付け、ボリュームやジャックを配線しました。なんとか音が出る状態にまで仕上げましたが、エフェクトのオン・オフが切り替わりません。音が出ていることから電気式バイパス回路の辺りが怪しいと考えられます。配線図の記号から2SA603を予想して取り付けましたがこの辺りが怪しいので手持ちのBOSS
PH-1の裏蓋を開けて調べたところC945という記号のトランジスタが確認できました。明日はこいつを交換しよう。
2002.07.05
早速、2SA603を2SC945と交換したところ、フットスイッチが機能しました。店員さんによるとこの2つはPNPとNPNと方式が全く違うと言われましたが、電気的知識の全く無い僕にとっては「No
Problem」なのです(爆)。動けばいい!
明日はいよいよケースの加工です。
2002.07.06
朝からケースに穴を開け、ホームセンターの開店と同時に黄色のラッカースプレーを購入。何回かに分けて吹き付けました。即乾タイプなので1時間ほどで組み立て作業に入りました。
で、無事完成!!う〜ん、これがOD-1の音か!!
バンドの練習があったのでギタリストに試奏してもらいましたが非常に好評でした。やはりマーシャルのブースターとして使用していました。
コントロール左がLevel、右がOverDrive、奥のジャックがInput、手前がOutputです。
2002.07.07
ACアダプタで使用してみようとしたところ、ACアダプタのジャックを差し込むと電源が消えてしまいます。少々電源周りの配線を手直しして動作するようになりました。
2002.07.14
コントロール部に表示がないのでどちらがLEVELでどちらがDriveか解りません、、。それで水性転写シールを利用してロゴやコントロール名を入れてみました。
音の印象
アンプを歪ませないで単独で歪ます場合、ストラト系のシングルピックアップの場合は当時言われていたように歪みが足りないと思います。ハムバッカーでは結構良く歪むと思います。ギターの弦一本一本を響かせる感じには最適な歪み具合だと思います。ベースに使用するには入力のコンデンサーと抵抗をいじって低域までしっかりと音を拾わなければ音痩せするのは確実です(笑)。2号機を作る時にその辺りをスイッチで切り替えられるようにすれば良いでしょう。もしくは入力でパラって出力の手前でノーマルとミックスというのも良いかも、、、。但しこのケースに収まりきるかどうか疑問です(爆)。
今後
今回うまくいったので興味のある方にはキットでの提供も考えていますが、、、、。キットとしてか完全に組み立てた状態かあるいは関係資料付きで基板だけか迷っています。というよりBOSS社に怒られないかどうかが心配です、、、。出来れば本当に復刻お願いしたいのですが>BOSS様!
BOSS関係者の方へ ------ このページに関して問題が有ればしかるべき対応をしますのでお申し出ください。