指板剥がれ修正
コスメティック用に売っている注射器を購入します。これを使って指板とネックの隙間にタイトボンドを注入していきます。
ただし、注射針といっても針に太さがあり狭い隙間には少々太すぎるので修正します。針先をペンチで押しつぶし、さらに砥石で薄く研ぎます。こうすることで必要以上に患部の隙間を広げずに済むので、傷口を拡げてしまう可能性が少なくなります。
剥がれている指板とネックの隙間に注射針が入りやすくするためにコーキング用のヘラを差し込みます。ヘラ先も砥石で薄く研いで隙間に入りやすく加工を施してあります。指板とネックの間に塗装の破片や木片、ゴミなどが詰まらないように注意しなければいけません。

ヘラによって拡げられた患部にタイトボンドを注入していきます。タイトボンド自身の作業時間は約5分と短く、希釈すると作用時間は長くなりますが接着力が激減するので原液のまま使用します。ですので慎重かつ迅速に作業する必要があります。注入してはヘラを5mmずつ移動して注射針もそれに伴って移動させながらの作業となります。

隙間が狭い場合は少々希釈した方が注入しやすいようです。その後、指板とネックをクチャクチャと揉むことによって、ボンドが毛細管現象で奥まで浸透していきます。

注入が終了すると患部のクランプを行います。木部の変形を避けるために必ず素材よりも柔らかい当て木をしながらクランプします。万遍なくボンドがはみ出すようにすることで、力の偏りを観察しながらクランプを行うことが出来ます。タイトボンドの硬化時間は12時間ですが、このまま24時間放置しておきます。