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グラム gram

ヴォルスンガ・サガで語られるもっとも有名な英雄が所持した聖剣。
呼び名は多数あり、「ヴァルムンク」や「ノートゥンク」などとも言われています。

主神オーディーンがシグルドの父シグムントに授けた剣。(正確には、オーディーンが木の幹に刺していった剣をシグムントが抜いた。)
これが発端となり、シグムントの一族はシグムントと妹のシグニー以外皆殺しに遭います。
その後、シグムントとシグニーの息子シンフィヨトリと共に復讐を果たしますが、この後シンフィヨトリは毒を食べて死んでしまいます。

シグムントはこのあと、血筋を永らえるためにヒョルディースをいう女性を見初めますが、
彼女をめぐってリュングビという王と戦わざるを得なくなります。
このときもグラムは活躍しますが、シグムントの勝利を良く思わなかったオーディーンのグングニルに粉々にされます。

これが原因でシグムントは戦いに負け、命を落とすのですが、いつの間にか妻になってたヒョルディースに砕けた剣の破片を託しており、
これがシグムントの息子であるシグルドの代に復活します。

この剣でシグルドは有名な「竜殺し(ファフニール討伐)」を成功させています。
その後、ワルキューレであるブリュンヒルドを見初めたシグルドは、彼女にファフニールから奪った指輪を捧げますが、
ライバルであるグンナルに記憶を失う酒を飲まされて、ブリュンヒルドのことは忘れてグンナルの妹グドルンと婚約します。

この後グンナルはブリュンヒルドの城に行こうとしますが、城を覆う炎のせいで中に入れず、
シグルドはグンナルの願いで城に赴き、グンナルのふりをしてブリュンヒルドと共に一晩過ごし
(ただし、グンナルとグドルンを裏切らないように自分とブリュンヒルドの間にグラムを置き、体が触れ合うことは無かった)
ブリュンヒルドの指から自らが捧げた指輪を抜き取って持ち帰り、妻のグドルンにあげてしまいます。

ブリュンヒルドはグドルンと会ったときに、自分のものであるはずの指輪が彼女の指にあることを知ってしまいます。
これにより、城にきたのはグンナルではなくシグルドだと知った彼女は怒りに燃えます(そりゃ当然ですね)

シグルドの死を望んだブリュンヒルドの願いを聞いたグンナルは、弟のグットルムにシグルド殺害をそそのかします。
シグルドは寝込みを襲われて殺されてしまいますが、反撃にグラムを投げつけグットルムを道連れにします。
死の間際に記憶が戻ったシグルドはブリュンヒルドに真相を話し、ブリュンヒルドはグラムに身を投げ出し自害してしまいます。
この後、シグルド、ブリュンヒルドとともにグラムも埋葬され、物語からは姿を消します。