webを構築する上で非常に重要な要素がユーザビリティとアクセシビリティである。
アクセシビリティはユーザビリティの中の項目の一つに過ぎないが、近年はアクセシビリティ=ユーザビリティと言われるほど重要視されている。
よって、この二つを分けて考える必要はないが、今回はあえて分けて説明する。
ユーザビリティとは、一言で言うと「便利さ」である。
webを閲覧するには、単にHTML文書を読むだけでなく、リンクをクリックして次の文書へ移動するという行為が伴う。
ここで、リンクの文字が極端に見にくいとどうだろうか?
極端に文字が小さかったり、背景色と同色であった場合などは、そのリンクを視覚的に探し出すことすら困難となる。
お遊び程度でごく狭い範囲に公開する分にはいいかもしれないが、webの性質上、公開するということは、全世界の人が閲覧可能であるということだ。
極端な例ではあるが、上記のようなサイトはユーザビリティが低いと言える。
逆に、常に画面にナビゲーションリンクを配置し、すぐにページ間の移動が出来る構成は、ユーザビリティが高いと言えるだろう。
アクセシビリティとは、一言で言うと「簡単さ」である。
簡単さとは、リンク構造の把握のしやすさ、自分の現在位置の把握のしやすさ、そしてリンクを辿る際の手間の簡単さなどである。
webは、テレビやラジオと違って一方的な情報提供ではなく、閲覧者が任意に好きな情報を好きなときに引き出せるという特徴を持っている。
閲覧者は自分の知りたい情報を「探している」のであるから、そのゴールにたどり着く過程はなるべく簡単であった方がよい。
リンク構造が複雑過ぎない、階層構造が深すぎない(あるいは深すぎても容易に移動できる)等のサイト構成をすることが、アクセシビリティの第一歩と言えるだろう。
そして製作者は、閲覧者が必ずしも「見える」環境ではないことも配慮しなければならない。(たとえば、極端に画面解像度が低い、モニタの発色数が少ない、あるいは身体的な理由で視覚的な感知が困難である等)
これらの閲覧者にも配慮したページは、必然的にアクセシビリティが高くなる。
また、上記ユーザビリティで語った、「常に画面にナビゲーションリンクを配置し、すぐにページ間の移動が出来る構成」のサイトに、フレームを利用してメニューを固定したサイトを思い浮かべる人がいるかもしれない。
これは、フレームを利用できる環境の人は便利ではあるが、フレームが利用できない環境、或いは検索エンジンから直接コンテンツに飛んで来た閲覧者にとってはこれ異常なく不便なサイトとなる。
事実、XHTML 1.1ではフレームの使用が認められておらず(そもそもDTDが存在しない)、フレーム利用のwebサイトは淘汰されていくであろう。
先ほど“閲覧者は自分の知りたい情報を「探している」のであるから、そのゴールにたどり着く過程はなるべく簡単であった方がよい。”と述べたが、これは言い換えると「閲覧者が欲しい情報へたどり着くまで、無駄なことを考えさせない」ということである。
つまり、どのリンクを辿れば自分が欲しい情報までたどり着けるのか、文書中のどこがリンクでどこが情報なのか、そもそもこのサイトに自分の欲しい情報があるのか。などを考えさせないのである。
これは製作者の配慮により、かなりの実現が可能である。
たとえば、下記のような方法が挙げられる。
事実、この二つだけでもかなりの効果があるはずだ。