☆ 丁子油と日本刀の保管場所 ☆

     最近になって気づいた刀剣の手入れに使用する丁子油と保管場所の関係について考えてみました。
   ☆ 保管場所 
     当然の事ですが、刀身は、なるべく湿度が少ない場所に保管するのが良いのですが、拵はあまり乾燥したところは適さない。
     これは拵えの柄の柄糸(つかいと)の下は木製ですので木は乾燥すれば収縮します。柄糸(つかいと)が緩んでしまう。
     又柄糸の下にある鮫皮も同様になるから保管場所をよく考慮しましょう。
     上記に述べたのはあくまで理想環境を言っただけで普通は直射日光が当たらない涼しい室内であれば問題はないでしょう。

   ☆ 丁子油 
     ついこの間、刀を鑑賞した後、刀を拭い(ぬぐい)丁子油をネルの切れ端で塗って鞘に収め片付けていた時に丁子油の箱に
     細かい小さな字で樟脳入りの箪笥は大禁物と書いてあったのを見つけました。(これは丁子油が植物由来なので樟脳と反応
     し酸化して油錆びになるからだそうです。)のんきなもので気が付きませんでした。(笑)

     因みに、私の刀剣は、洋服や布団袋を収納しているクローゼット(3畳ほど)の中に桐の刀箪笥を置いてその引き出しの中に
     入れています。ここで問題なのは、クローゼットの中自体にナフタリンを入れていた事です。桐の刀箪笥の引き出しの中には
     直接入れてないのですが間接的に桐がナフタリンを吸い込んでいるかもしれない?と思ったからです。
     でも引き出しには直接入れていないので10年以上経過していますが油錆びは生じていません。6か月に一度は手入れしている
     からかも知れませんが。今後は気を付けようと思います。早速、ナフタリンを片付け部屋の空気を入れ替えてエムベントリン
     (ピレスロイド系)のムシューダに替えました。

  <刀剣に使用するオイルについて>

      刀剣に塗る油は、丁子油だけでなく色々ある様です。
     私としては、古来から使用されている丁子油(植物油)を使用していますが機械油を使用している人達もいるそうです。

   ◎ 植物油・機械油の特徴について

   ☆丁子油☆
     長所: 植物油の丁子油は、良い香りがする。古来からの使用実績がある。
     欠点: 経年による酸化が生じるので半年~1年位に一度は刃を拭い、新しく丁子油をネルや拭い紙等で均一に塗る手間がいる。
         油を拭う度に打粉を使用するので、ひけ疵が生じやすい。

   ☆機械油☆
     長所: 経年による酸化は少ない。防錆は最適
     短所: 油の臭い 刀剣に使用する実績が少ない。
                以 上 私の意見と感想を書かせてもらいました。

  <追記> 刀剣に塗る油については色んな考え方や意見があるようです。


     植物油使用派 : (丁子油)は古来からの伝統である。
     機械油使用派 : 最新化学の防錆技術を信頼する。
     何も塗らない派: こまめに手入れをする。
       以上 まとめてみました。


私の展示室へようこそ。平成12年より収集した書物です。各書物の画像は、いずれ載せるつもるです。

  更新日 平成22年4月

      
NO 書  籍  名著   名 発 行 年
1 古刀大鑑  飯村嘉章  昭和57年 5月 7日 
2 新刀大鑑巻1  飯村嘉章   平成 5年 1月吉祥日 
3 新刀大鑑巻2  飯村嘉章  平成 5年 1月吉祥日 
4 新新刀大鑑巻1  飯村嘉章  昭和54年 8月 1日 
5 新新刀大鑑巻2  飯村嘉章  昭和54年 8月 1日 
6 清麿大鑑   清麿大鑑   昭和49年 1月15日 
7 相州伝名作集   本間薫山   昭和51年 8月 1日 
8 趣味の日本刀  柴田光男・大河内常平  昭和46年 7月25日 
9 刀匠全集   清水 治  平成 8年 5月31日 
10 刀 剣 要 覧   飯村嘉章  平成13年 6月17日 
11 作刀の伝統技法  鈴木卓夫  平成 9年 9月25日 
12 日本刀の買い方   光芸出版編集部  平成12年11月19日 

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