◎ 刀の語原による言葉・ことわざ ◎

◯ あいうえお順に並べました。 ◯
 相槌を打つ  鉄を打ち鍛えるとき、刀鍛冶同士(親方と弟子)が調子を合わせて交互に打ち合う槌を「相槌」
ということから、共感や感心もち相手の話に調子を合わて応答すること。
 一刀両断   ひと太刀で物をまっぷたつにたち切る事から、物事をきっぱりとあざやかに解決すること。
 押取り刀   とっさの事で、腰に差すひまもなく急いで手にとる刀。大急ぎで駆けつけることを表すときに使う。
 折り紙つき  公式文書や進物用、鑑定書等に奉書紙(ほうしょし)という紙を使っていました。奉書紙は最上質
和紙で上意を下位の者に伝える時に使用されていた。(折り紙)とは、この奉書紙を2つ折りにして
鑑定用に用いた紙のことで江戸時代には、刀剣鑑定の本家の本阿弥家が2つ折りにした奉書紙を刀の
鑑定書に用い、その鑑定書がついた刀剣は「折り紙つき」の刀剣と言われるようになった。この言葉
が一般に広まるようになり信頼・信用できると言うことで、人や物にも使われるようになりました。
品質や価値、人格や技術等に定評があったり、保証付きであることを「折り紙つき」と表現します。
 懐刀 (ふところがたな)懐に入れて持ち歩く守り刀から内密の相談が出来る「腹心の部下」の意。
 快刀乱麻を断つ快刀とは、よく切れる刀の意味でもつれた麻の糸を断ち切るように、物事を鮮やかに解決する例え
 急(刃)場しのぎいっときの間に合わせで、なんとかその場を切り抜ける事の意味・実は、”急刃凌ぎ”と書きます。
「急刃」とは、戦場において刀の刃が欠けると切れ味は悪くなるが、取りあえず戦えるように補修
してなんとかその戦いの場を切り抜ける。と言う意味に使われたのです。
 首切り    文字どおり首を斬ること特に罪人の首を刀で斬る斬罪のことから職を解雇、免職になるの意味。
 鞘当て    武士同士がすれ違った時、お互いの鞘が当たったのをとがめ立て争う事、この事から些細なことを
とがめて起こる喧嘩の事を言う。又一人の女性を巡って二人の男性が争うこと。(恋の鞘当て)
 しのぎを削るしのぎ(鎬)は、(刃と棟の間にある稜線)が激しく削れるほどの激しい戦の事。激しく争う。
 助太刀    はたし合い・仇討ちなどの助っ人することの意味。
 切羽詰る   切羽は鍔を挟んで柄の縁金とはばきの間にあり鞘の接点につけて鍔が、がたつかない様にする金具。
ネジで例えると座金の様な物です。これが詰まり刀が抜けなくなることから、どうにもならない。
という意味。だが実際に抜けなくなる原因は、"はばき"と鞘の関係で抜けなくなるのですが、
不思議です。
 反りが合わない刀身と鞘の関係は、刀身の反りに合わせて鞘は作られるので違う刀では反りが合わず入らない。
から互いの気持ちが合わないの意味。
 太刀打ちができない太刀で打ち合い戦うことができない。転じて、まともに張り合って勝負にならない。
技術や地位・財力・知力・体力では、とても勝ち目がないとい
 単刀直入  一振りの刀(一人)で敵陣に斬り込む事。この事から前置きなど無く、直接本題に入る事
 地金が出る 刀は芯金という柔らかい鉄に皮金という硬い鉄を包み込む構造になっていて、何度も研ぎを繰り返す
と研ぎ減って芯金が出てしまいます。この事からふだん隠している本性を表す事を言います。
 柄(束)の間 刀を握る束のことで握りこぶしをした時の四本指の幅で計った長さを指し、わずかの間という意味。
 付け焼き刃 刃の無くなった刀や鈍刀に、焼き刃だけを付け足した事から、間に合わせのにわか仕込みの勉強や
ニセ物のこと:力や能力の無い物がその場しのぎでごまかしたりすること。
 鍔迫り合い 刀の鍔から。互いに打ち込んだ刀を鍔で受けとめたまま、一歩も譲らず押し合う事から、
力の拮抗した激戦の事を言い、互いに譲らない激しい攻防。
 伝家の宝刀  代々家宝として伝わっている名刀のことで、転じて現在では、いざという時に使うとっておきの手段
奥の手という意味。
 抜き差しならぬ刀を抜くのも差すのもままならない窮地の状態、どうにもならないという意味。
 抜き打ち   抜いて即斬り付ける。この事からまえぶれも無くいきなり何かをする事を言います。「抜き打ち検査」
「抜き打ちテスト」など。
 身から出た錆 刀身の錆は、手入れが悪いと出てくることから、自業自得の意。
 目抜き(目貫)通り刀の柄に取り付ける部分を目貫(めぬき)といい、柄の中心で目立つことから。一番良い場所
すなわち繁華街のこと。
 元の鞘におさまる刀は反りの関係で他の鞘にはなかなか入らないが、もとの鞘にはスンナリと入ります。この事から
仲違いした者どうしが元通り一緒になる事を言います。
 焼きが回る 刃物を焼いて鍛えるとき、火が行き渡りすぎてかえって切れ味が鈍くなることから、歳をとり衰えて
鈍くなる又はボケてくる事、腕前が落ちること。
 焼きを入れる 刀は刃を付けるため火に入れて、焼き刃を付けます。この作業によって刀は切れるようになります。
この事から”気合いを入れる事”に用いられます。
 両刀使い 武士が腰にさした大小の刀その二本を使いこなす剣法で二刀流と言い。分野を異にする二つの物事
を同時にやりこなすこと又その人を指す。

 ※ 以上思いついた言葉を列挙しました。

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