日本刀‐鉄の化学

地刃の組織

地刃の働きが見難かったので見やすいように画面を大きくしました。

    ☆参考:鉄の硬さからの分類(ブリュネルの数値)

    フェライト(α鉄)90 :オーステナイト(γ鉄)155 : パーライト 255 :ソルバイト 270 : トルースタイト 400
    マルテンサイト 720 :セメンタイト(Fe3C)820

    日本刀には荒い粒状の沸出来と雲か霞の匂い出来があり後は多種多様の刃文と地刃に働きがある。

  1. 刀の断面図

     ○ 新刀(江戸前期)の断面 

  2. 沸と匂いの組織

     ○ どちらもマルテンサイト、沸は荒い粒状、匂いは微細な粒子状となっている。地沸は柔らかいフェライトとソルバイトの地にあってやや硬いソルバイトが浮き上がり黒く見える状態。

  3. 砂流しの組織

     ○ 沸出来の刃紋によく見られ、砂を撒いて箒で掃いたようなものでマルテンサイトとトルースタイトで出来ている。

  4. 金筋と地景

     ○ マルテンサイトが基本組織で金筋は刃紋部に現れその周りはトルースタイトで成り立っている。これは砂流しと同様な組織である。地景は地部に現れその周りをソルバイトで成り立っている。金筋も砂流しも同じ成分でその周囲の成分によって名前が異なる。

  5. 飛び焼きと湯走り

     ○ 飛び焼きは、刃文部から飛び離れた地部の中に現れその組織はマルテンサイトでその周りをソルバイト等が囲んでいる。湯走りは、刃文に近い場所に現れ湯が飛び散ったように見える状態の様子を呈している。これもマルテンサイトでその周りを囲む組織がトルースタイトやソルバイトであったりする。

  6. 映り

     ○ 映りは、地部の中で煙のようにボヤット春霞の様に見える状態で棒状に見えたり刃文状にみえたりする。地部がソルバイトとフェライトで出来ている中で特にフェライトが球状化している状態を言う。

  7. 足と葉

     ○ 丁子や互の目の刃文に見られ、足の様に見れるのが足、葉のように見えるのが葉である。刃部のマルテンサイトとトルースタイトが均一に混ざり合って出来る。刃部に比べて少し柔らかめである。


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