永遠に生く

 万有の真理

 人は皆、宇宙万有無限の宝庫の中に在り乍ら、
 痛み、病み、貧苦にあへぎ、
 自らを足らざるものと思い込む過ちをあへてなしつつ、
 在るを知らざる己れの無知蒙昧に気付かざる故、
 極楽に身を置きつつ、自ら地獄を作りなす迷ひに気付かざるなり。

 さればこそ、釈尊の御さとしにある如く、
 父は、あへて狂へる子等に良薬を飲まさんとして、
 遠くに行きて、使ひをつかはし、
 「父死せり」と子等に告げしめ、
 子等、父死せりと聞きて、悲しみの余り、
 やうやうその良薬を飲みて、狂気治りて見れば、
 死したる筈の父、帰り来たりて、
 「我、死せず」と云へば、子等、いたく喜ぶ、
 と法華経にある如し。

 人は、己れの狂へるを悟らざるが故に、
 父たる神の、無量の慈愛も、無限の冨も、分からざるなり。

 己れを正し、その狂気をば悟る時、
 人は神にして、万有のものなり。
 病なく、貧なく、苦なし。
 あるは只、極楽のみなり。

 無上の浄土を地獄と化すは、
 己れの心の迷ひのみなり。

 されば、無量、無限なる万有の中に在りて、
 貧しきは愚かなる事なり。

 永遠に生く目次


TOP