永遠に生く

 成仏への近道

 成仏とは、真心を行ふ事なり。

 真心とは、神仏のみ心を順奉いたす事なり。

 人はそれぞれの故郷(ふるさと)たる、
 本源に還へる為にある人生なり。

 肉体を本源なりと思ひ違ひなして、肉の欲望に負かされつつ、
 人は次第々々に本源を忘れ、故郷(ふるさと)より遠ざかり行くものにあり。

 さればこそ、いつまでも輪廻致して、
 肉体の悪魔と闘はねばならぬものなり。

 肉を離るるすべは、只真心に帰へる事のみなり。

 真心に帰へれば、真実の故郷たる、
 元の出で来りし次元も自ずから分かり、
 又、次の高次元に進み得る道も開かるるなり。

 現世に在りて、
 地球上の、只人間相手の地位や、名誉や、権力、財力、
 すべてこれ迷夢に過ぎず。

 神仏より見れば、
 さながら蟻の世界に王者を誇るが如きものにして、
 笑止の至りなり。

 されど、人間はこれ等に命をかけて、生涯を、この欲望の為に
 闘ひつかれ果てて人生を終るものほとんどなり。

 この、現世的な目前の欲を捨ててしまへば、
 心は軽るく、身はあって無きが如く、
 生も死も無き無限の命に生きらるるなり。

 されば、地位も、名誉も、権力も、
 只、淡々として己れを捨て切り、
 神仏のみ心を知る事のみに専念致さば、真心の在り方が悟られ、
 真心に生きぬく人となり易きが故に、
 無欲程、尊く、有り難きものはなし。

 永遠に生く目次


TOP