永遠に生く

 人の真価とは

 言霊(ことだま)は真如の声なり。

 真如とは、宇宙に充満致す真理の事なり。
 空気の如く充満致す真理の中に生かされ乍ら、
 人は外道に迷ふなり。

 何故なれば、現世物質界の欲、
 即ち、財宝、名誉、権力等に引かるる心押へ切れず、
 抜け切れざる故の迷ひにして、
 真実、真如の己れを知らざるが故なり。

 真の霊格ある己れを知る時、
 人間界の愚かさは、笑止の極みと悟り得るものにして、
 それは只、肉体に纏(まつ)はる
 衣の如きものに過ぎざるを知るであろう。

 真実は裸の己れ、
 肉体を離れたる己れにして、
 只、霊そのものの価値のみなり。

 価値ある人とは、即ち
 神の位に達したる霊格を有する者のみにして、
 財あるものにあらず、学あるものにあらず、地位高きものにもあらず、
 名誉とは、人の与へ得るものにはあらず、
 神、定め給ふものなり。

 地位高きを誇りて、神のみ心に背き、
 何の霊界帰還ぞや。

 錦を飾りて、故郷霊界に還へり得るものとは、
 肉体の生ある限りを、只、無欲にして、無我なる我の、
 人の為、人の為にと、力の限りを尽くし得て、
 何の報酬も求めざる者のみ、天に還へりて、
 神、其の徳を報ひ給はるものなり。

 己れを捨てて、人の為に役立たん事こそ、
 真に己れをいとほしむ者なり。

 何故なれば、
 他人とは自分の事なればなり。
 真理は即ち、自他一体なる故なり。

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