地鎮観音
聖堂正門

 寺院建立にあたり、乾光照阿闍梨の希望で観音様の立像を作る事にしました。
 ところが完成しましたら、発注寸法より一回り大きく出来あがってきたのです。
 製作所の方もどうして大きくなったのか、わからないと不思議がられていました。
 もちろん製作費は変わらずにです。

 さて、その立像は道場の屋根にクレーンで持ち上げて設置されました。
 これは天上より観音様が、一切衆生を御救済されますようにとの願いからでした。

 ところが、大地震で道場もかなり揺れて、立像を設置している台座にヒビが入ってしまいました。
 少し強い風が吹くと立像が揺れてしまうほど、不安定になりました。
 万が一屋根から落ちてきては大変な事になりますので、仕方なく地上に降ろす事にしました。
 そして、新たに寺院の玄関脇に設置しましたが、これは観音様のご意思の現れだと
 後に諭されます。

 観音様は一切衆生救済のために、天上からではなく、私達と共に行じて下さる仏様なのです。
 親が子に諭す時、子供の目線に合わせて我が身をかがめるのと同じです。
 大震災後、地を鎮めるように、追善供養の為に、御自ら地上に降りられた訳です。

 地鎮観音としてお導きされるこの立像には、参拝する者に事故災害の加護があると
 云われています。


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