運命の好転
虹

 そのご家族は、二人の息子さんを愛情いっぱいに育て、家業も順調で、
 なに不自由ない幸せな生活を送っていました。
 ところが、長男さんが大学受験で、失敗してから、一転地獄のような日々になりました。
 長男さんは、大学受験で思うような結果が出ず、それが原因で体調を崩され、
 徐々に家族との会話も少なくなりました。
 人との接触も避けるようになり、外出する事もなく、自室にこもりっきりになりました。

 ある時、ガス管を咥えて自殺行為にまで及んでしまったのです。
 幸いにも家族の方がすぐに発見して無事に命を取り留めましたが、
 ご両親の苦しみは日を追うごとに大きくなりました。
 お母さんは、長男さんを「何とか元の元気な姿に戻したい!」と思い、
 医学の力では治すことができないと思われて、
 誘われるままにある新興宗教に入信し救いを求めました。

 しかし、状況が変わる兆しも無く、「どうしたら良くなるのか?」と尋ねても
 「献金しなさい!奉仕をしなさい!」の言葉が返ってくるのみでした。
 「もう一度我が子の元気な姿をみたい!」その一心で約10年に渡って
 教団での奉仕活動を続けましたが、教団の裏側を見て、
 「こんなところにご神仏はいらっしゃらない!」と思うようになり、
 覚悟を決めて退会しました。
 その後も息子さんの状況は悪くなる一方で、家族との会話もできない状況で
 途方にくれた毎日が続いていました。

 そんなある日、仕事関係のお得意先の方から、
 「観音様の有難い本だから読んでみたら、」と一冊の『乾坤の道』を渡されました。
 家族3人が一晩で読み通し、本の内容に感銘を受け、
 この本の著者である乾先生にお会いしたいと思われ、
 すぐに連絡を取って面会されました。
 その時に今迄の経過をずっと聞いておられた先生は、「これは、ご先祖の因縁ですね。」
 と言われ、近いご先祖様で、母方のお兄さんが自殺して亡くなった事を聞かれたときに
 「この方が苦しいあまりにすがってこられていますね」と言われました。

 その後、観音様の御教えに従って一つ一つ実践する毎日がはじまりました。
 家族一同で、一生懸命先祖供養をされるようになり、その結果、長男さんも
 薄紙をはぐように、少しずつ体調がよくなりました。
 家業の会社の経理事務を行うことが出来るようになり、人を避けた生活から、
 徐々に人と会って話せるようになりました。
 何十年と苦しみの生活でしたが、観音様の御教えに出会い、
 感謝の毎日を送っておられます。


TOP