一実の道

 第六十一之御諭し

 天地陰陽妙法の理は、
 生みて育み、未来永劫子孫繁栄、国土持続の佛意のあるところ、
 此れ天意となして、地ひれ伏して恭順致し奉るに、
 天地自然の理法揺るがず。

 そこには一点欠けたる事無く、因縁奸魔の隙を与へず、
 自然のままに、生み育ちゆく万物、
 等しき天地法則の理法にあり。

 此れ「法華経」と名付け給ひて、この世に残され諭され、
 示され賜ひしものなり。

 さればこそ「法華経」宇宙にありて、天地自然にあり。
 即、佛身にあるところ、 
 一々に拝み奉りて展き奉り、読誦致すに、
 身を以って為せと諭され給ふところなり。

 此処に凡夫の身、
 肉体に纏わる煩悩に惑わされゆきて、
 慾を生じ我慾に心くもりたる故、
 自ら慾すれども、獲得し能はざるところの
 万物含有の真理つかみ得ずして、一物をも得ず。

 得ざれば慾し、慾するが故に尚生じ、惑乱致さるるが故に、
 己が周りの小さき事に囚われゆきて、
 目先を追い行く末を知らず、

 况してや天地自然の法則、甚微妙無量なるをば量り得ざれば、
 佛意を悟らず、我意我欲に基づきて、
 己が我欲のままにならざる世を怨み、四苦八苦、
 そのもとひなる「十二因縁」つくりて起こせし己が身の業障、
 それ実相を悟るべしとは、又諭され給ふところなり。

 合掌

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