一実の道

 第五十九之御諭し

 「法華経」燦然として世に輝く時、地は豊穣に潤ひ、天、和楽の楽を奏し、
 人々日々の安穏愉楽をうたうものなり。
 歓喜の喚声国々に響きて、天災地変を知らざるの御世。
 老いたるに先立ちて、若き者逝かず、親に背きて不孝の子無く、
 悲しみ苦しみ足らずを知らざるの御世。

 只、天地に和し、地、天をうたひて、浄土燦然として平和に充つる時、
 御佛久遠の古へより未来永劫、斯くあれかしと願ひてたてし一筋の法則、
 此処にうるほひて、生きたるの実相現はるる時、
 神佛、人と和合して、地に佛国浄土顕現の実相と現はるるなり。

 天、常に天下れば、下界七色の光に輝きて、
 醜きを知らざるの心、求め得ずして美に浸り、
 求め得ずして満ち足りる時、人々互ひに己れを忘れて、
 隣人の為、衆生の為にと神に仕うる誠の心、
 即ち菩提心をば悟るものなり。

 合掌

 一実の道目次


TOP