一実の道

 第四十八之御諭し

 己が心肉喰い入りたる悪魔をば、むしり取りえぐり取るなれば、
 血も出よう、肉も削げなん。
 その痛さ、歯を食ひしばり、耐え忍びてこそ、
 此処に柔和忍辱(にんにく)の慈悲の光に暖められて、
 如何に深き手傷なりとも直に癒され、慈忍湧き出で、
 己れ清浄の身と化しゆくなり。

 斯くして、一つ一つに清浄と化し、 
 己が全身、即佛現身のままに己が身となり、
 それ即身成佛の実相、現世に現れゆくものなり。
 心骨を砕きて、血肉を裂きて、 
 真の修業致すとは、此処なるぞや。
 形に現わす修業にあらず。

 己が心の善魔と悪魔の一大闘争、日々に神佛を参謀部長と致し
 その闘争の手段(てだて)方針戦略をば、
 一々に指導受けつつ、如何に悪戦苦闘致すとも
 遂に勝利の栄冠勝ち得てこそ、
 此れ修業成し得るとは申さるるなり。

 真の修業成し得てこそ、 
 衆生済度(しゅうじょうさいど)の大誓願たてさせ給ふ、
 三世諸佛の御心に報い、役目役目の果たされゆきて、
 師恩報恩報い奉ることとは、相成るなり。

 汝、余が只今迄申せし事、汝に出来得ぬこと申せしかや。
 されば出来得る事なりや。
 如何に苦しき修業なりとも、いと易々と助けゆくぞや。

 真に心の持ち直し方こそ、本道なりと悟りゆくべし。

 合掌

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