一実の道

 第四十六之御諭し

 形に捕わるる必要は無し。
 されど形作らずば、ものの順序はたたぬではないかや。
 たとへ如何なる病魔襲はんとも修行と取り組みて、
 己れ倒さるるまでも此れ退かじとの決定(けつじょう)有らば、
 水行も、その他の勤めも一々に心を込めて為し得る筈なり。

 身を安穏に得させ給ひし、御佛の大慈大悲、
 足蹴に致して何とする。
 一々に己が事、己が心の御鞭なりと、何故悟りゆきて
 己が曲がれる根性、なほしてゆかぬかや。

 悪魔に捕われ夜叉となり、蔭にて悪魔ほくそ笑みおるを
 汝、悟らぬ愚か者めが日々の修行、如何なる事為し来りしかや。
 心の憂ひなく、後顧安んじさせて、一路邁進修行に専念致させやらんとの
 大慈大悲を無にして、踏みにじりたる此の科、
 如何に大なる懺悔(さんげ)なるかをよくよく悟りて、
 深く懺悔をあらはしゆくべし。

 如何に心を込めて諭しやるとも、受け入るる心湧き出でざれば、
 己れ悪魔となり居るなるぞや。
 大慈大悲を受くる資格は無きものなるぞや。
 懺悔、直ちに実相に現わしゆくべし。

 合掌

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