一実の道

 第四十五之御諭し

 修行は形によらざれども、形より始まるものなり。
 形なくして、相整はず。
 「陽」あらはれずして、「陰」はたらかず。
 妙法此処に眠るものなり。

 法は法の中にあらず。
 悟りは悟りの中にあらざれども、
 実行致すには、先ず形より行じゆくなり。

 信念薄き故、因縁に間魔致され、
 悪魔の虜となりて病に犯され、
 心の決定(けつじょう)崩るるものなり。
 楽園の実相は、成佛の悟りによりて現はれしもの、
 悟り、形に現はさずば、
 此れ実相とは現はれぬなり。
 此れ、悟りは悟りに非るなり。
 悟りとは、知りて実行致すものなり。

 先ず、水行を止め六斎日を忘れ経文読誦を怠りて、
 睡魔の欲するままに身を怠惰にまかせては、
 倦怠の悪魔となりおるを知らずや。

 類は友を呼ぶのたとへ、悪魔は悪魔を呼び集いて、
 夜叉の形相、それ実相に現はるるところ、
 夫に疎まれ、子に爪弾きさるるは、
 女人の身の如何に恥ずべきことなるかや。

 余が心を込めて今日迄、導き来たりし甲斐露もなし。

 合掌

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