一実の道

 第四十四之御諭し

 現世実相に現はれしところに「法華経」は生きてあるなり。
 歪める実相、此れ又己が心にて作りしものと悟るべし。
 此れ矯め直さんと致してこそ、真の修行なり。

 歪みし実相、現はるればこそ、真の悟りも展かるるなり。
 されば、如何に傾きし己が運勢も悲観致すに当たらぬものなり。
 此れこそ真に、己が救はるるの慈悲と悟るべし。

 されば、倦怠に付け入る悪魔の数々、此れ打ち払い、一心に修行致して
 過去世の罪障、大いなる悪魔と致して現われし時の心構え、
 微動も揺るがぬ決定(けつじょう)、日頃にこそ固めおくべし。

 日頃日々の修行、小さき悪魔に打ち負かされては、其の甲斐もなく、
 吹き来る夜半の嵐に、如何で耐え得べきかや。
 日々、波穏やかなる日にこそ、只まっしぐらに前進致しおきて、
 嵐の日の備へと致しおくべきなり。

 されば、波穏やかなる時にこそ、只一心に修行致すべきなり。
 嵐吹き来たりし時に修行致すは、いと難きなるぞや。
 憂き事の重なり来たりて、尚も揺るがぬ信解(しんげ)こそ、
 日頃に貯へおくべきぞや。

 如何に風吹き荒び、魍魎(もうりょう)の襲ひ来たらんとも
 汝。法華経行者なり。
 諸天善神に取り囲まれ、護られ居るのを忘れず。
 嵐の日をじっと耐えゆき、風穏やかならんを祈念致すの心、
 日頃より此の揺るがぬ心、修行致して定めおくべし。

 諸天善神加護され給ふ、法華経行者と導かれし己が身の善果、 
 如何なる悪因縁をも克服致して、尚、余り有るものなりと信ずべし。

 護らるるの信念、しっかと持ち、悪因縁に恐れず撓めず打ち勝ちゆきて、
 一つ一つと善果と化すべし。
 此れ、真の修行なり。

 合掌

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