一実の道

 第四十二之御諭し

 只、神佛に通じ己れ成佛致すの道は、
 残る隈なき真心のありたけ捧げ尽くして悔い無き心。
 此処に通ずるの鍵はあるなり。
 余が今迄に申せし言葉、
 汝よくよく噛み分けて、悟りくるるであろうかや。

 計著致さず、全てを大乗の為に投げ打つ決定(けつじょう)
 此れ即ち、無限のものを無限大に己れのものとなすべき道なり。
 大乗に捧ぐる誠は、他に比類無き投資と知るべし。
 利子計り難きものなるぞや。
 己れ、恵まれし財宝、真の持ち主よくよく自覚致して、
 己れのものと思い誤る事勿れ。
 人は皆、物質も生命も又子供まで、
 己れの物己れの物と抱き込み抱き込み、執着致して
 知らず知らずに己れ自信の腕より落とし、
 失いゆきおるなり。

 己が生命とて己の物に非ず。
 此れ皆、預かりしかけがえの無き尊きものと珍重致して、
 汚さざる様磨き磨きて、保存致さねば相ならぬものなり。

 吾が子と申せど、己れのものなどとおこがましき心、 
 さらさら持つべきに非ざるぞや。
 本日の諭し、余が真意、汝の心に通ぜしなるかや。
 悟りて行はぬは、知らざるよりも尚、
 罪深きと知るべきぞや。

 天地には只、汝と神と二つのみなり。
 通ずる道は一つなるぞや。
 他に煩わさるることなかれ。

 合掌

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